第65話執拗な奴と決着1/2

執拗な奴と決着1/2

執拗な奴と決着1/2



そうして、放課後、俺は工藤の机のところに行き、「工藤、朝の続き、話があるからちょっと」そう言って工藤を見下ろすと、またにらんでくる「お前に話すことはない」

いいかげん頭悪いのかこいつ とイラっとしたので

「俺があるんだよ、ストーカー君」

「何!!」勝手に怒って もういいかげんに・・という気分

「ストーカーだからストーカー君って呼んだの、どうするの?このまま引き下がってくれるんならそのほうが楽なんだけど?」

ムスっとして、目が合うと思いっきり俺をにらみながらも、俺についてくる。

しょうがないから、野球部裏の体育用具沿倉庫、そう去年あいつとケリをつけた場所

今回は武村に言っていない。

「お前みたいな奴に純にふさわしくない、だから純を解放しろ」

「解放? 何それ? あのさ、何がふさわしいんだ? お前はふさわしいのか? 」

「ああ、俺ふさわしい」

「だから、 お前の何がふさわしいんだよ」

「すべてだ」

「お前、 バカだろ、それ決めるのは純だろ、お前じゃない!そんなこともわからないのかよ」

「うるさい、 俺と勝負しろ! そして俺が勝ったら、お前は手を引け」

(なんだそれ?)

「工藤、お前な、純を何だと思ってるんだ?」

「純は純だ」

「勝負に勝ったら、とか、純を物扱いしてるだろ、勝った方が純の所有者みたいな、景品みたいに、なんだ?それ、お前、純をすっごい侮辱しているぞ」

「・・・・・・・・・・」

「誰と付き合うかは純が決める事だろ、お前が決める事じゃないんだよ、純の意思を無視してそんなこと言う奴って純は大きらいだって知らないのか?」

「・・・・・・・・・・」

「まだわかんないか?」

「・・・・・・・・・・」

「別に黙ってるのは勝手だけど、純は 今、俺がお前と会って話してること知ってるぞ、

戻ったら、『勝負しろ』の話するぞ、純はなんて言うだろうな?

・・・っていうか 高校生が何の勝負するの? 

お前、ひょっとして、本当は 非モテボッチの中二病こじらせバカ か?

・・・ばっかじゃないの」

プッチンと音がして切れた俺は、暴言を吐きまくった。

「・・・・・・」

「お前、その勝負に負けたらあきらめるのか? ふ~ん、負けてあきらめ程度の『好き』なら知れてるな、俺は勝とうが負けようが絶対あきらめない、それだけ好きなものは好きなんだよ。

この時点でお前負けてるよな」

「・・・・・・・・・・・」

「工藤、お前、純の事が好きなんだろ」

「・・・・・」

「ひょっとして、1年の時からか?須藤と付き合ってあってた時からか?」

「・・・・」

「そっか、

それで、須藤と別れたって聞いて頑張ろうと思ったら、 俺がでてきたんだろ」

「そうだよ」小さな声

「お前、 ちゃんと純に好きって言った事あるのか?」

「・・・・・・・・・・」

「ないんだー」

「・・・・・・・・・・」

「そもそも、それじゃあ話にならないだろ、

あのな~いつもお前の周りでキャーキャー言ってる女子と純はまったく別だって気が付かなかったのか? 純から告白してくると思ったのか?」

「・・・・・・・・・・」

「そりゃ無理だよ、純がそういう人間じゃないっていう事がわからないって・・・、

お前純の何を見てた?

 あんなにいつも一緒にいたのに、純を全然見ていなかったんじゃないか」

畳みかけるように話を続ける。

「そんなんで・・・、純のどこを好きになったんだ?ひょっとして一目ぼれ? まさかね、それは純に失礼だよ、純はそういう連中にどう対処してるか知ってるよね」

「ああ、だから言えなかった」小さい声でぼそぼそと

「そっか、あれだけ一緒のグループにいたのに、 わからなかったのか?」

「帰りのHRが終わるとすぐに野球部に行ってたし、あいつと別れてからは、まっすぐに家に帰ってたから」やっと話すようになった

「そうだよね~」

「帰りに、遊ぼうって誘っても断られるし、バクドだけでもって誘っても用事があるからって」

「そっか、残念だね、でもこればかりはしょうがないよな~」

「なにが」

「いや~、あれだけ一緒のグループにいて、須藤と別れてフリーになっても、工藤を見なかったんだろ」

「・・・・・・・・・・・」

「工藤ってそもそも告白した事ある?」

「・・・・・・・・・・・」

「ないんだ」

「ああ」

「工藤、お前、まずそこから始めないと,

本当に好きな彼女、一生できないよ」

「・・・・・・・・・」

「キャーキャー言ってくる女子から 彼女見つけるなら、 それでも良いけど、それならますます純は無理」

「・・・・・・・・・・」

「っていうか、ゴメン、純はもう俺と付き合ってるから、指輪見たろ、うれしそうに皆に見せびらかして喜んでるのも見てただろ」

「・・・・・・・・・・」

「わかってるんだろ?」

「なんでおまえみたいな奴に・・・」

イッキに詰めるつもりで話す。

「工藤、お前、純のために何かした事ある?純が何をしたいか考えたことある?

 俺が見てる限り、ないよね。」一呼吸おいて続ける。

「純が須藤と別れたいけど別れてくれなくて怖いって言った時、お前何かした?

何もしてないよね」 そのまま言い続ける。

「武村が幼馴染だって知った時、純になんて言った? 危ないから付き合うなって言ったんじゃない?それって工藤の一方的な考えで 純の思っている事じゃないよね」

「純の幼馴染だって言った武村と話した事ある? ないよね」

「それって全部純の事考えてないじゃない」

「去年から、 純の周りで起きてることに何もしてないよね、工藤も五条も山下も、そのくせ文化祭でも、修学旅行でも 、自分達の都合で純を取り込もうとしてたよね」

「・・・・・・・・・・」

「わかるだろ、 武村も田代さんも中野さんも当然俺も純の事考えてる、純に何かあれば純のために行動する。普通どっちの人間を信用する? 好きになる?」

「もうこれ以上言わせるなよ、これ以上つきまとうのはやめてくれよ」

一機に話続けて・・・自分で震えてるのがわかる、見破られないように・・・・

「・・・・・・・・・・わかったよ」

「じゃあ、はっきり 言ってくれ、 わかったよじゃなくて、 つきまとわないって」

「ああ、もうつきまとわないよ」

「うん、 ありがとう、 じゃあ、 さようなら」最後の言葉を強調した。

(あ~、純は俺の物、で俺は純の物 って所有物みたいなんだけど、

ややこしいから工藤には内緒にしておこう) 

「さ・よ・う・な・ら」




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