第45話クリスマス1/2 -親に紹介

クリスマス1/2-親に紹介


クリスマス1/2 – 親に紹介

前期期末試験も終わりクリスマス、2人にとって初めてのクリスマス。

去年はどうしたか聞こうと思ったけど、あいつと一緒だったろうから聞くのをやめて、家族と何かやるのか聞いてみた。

・・・やっぱり、あいつと一緒だった・・・・純が言いづらそうに、去年の話をするから、大丈夫、気にしてないから、そうじゃなくて 『うちの親と妹に紹介したい』と伝えると、ようやく顔に笑みが。


2人だけでクリスマスと思ったけど、まだちゃんと家族に紹介していないし、純の両親にも挨拶していないからという事で24日と25日は2人で純の両親と俺の両親に挨拶しようという事になった。

今年は24日が金曜、25日が土曜で、純の両親は2人で会社勤めのため土曜が都合が良いとの事、俺は母親に純を紹介したいから24日の夜に、と伝えところ、後から父親もその日は早く帰ると言ってくれた。


純は、母親は快諾してくれた、と言われ、24日の夜は俺の家、25日は純の家にという事になった。

24日、それぞれ1度家に帰り、バイクで純を迎えに行く、ピンポン、純と母親が出てきた。

純の母親に会うのは初めて・・

「はじめまして、高谷と言います。」 

「はじめまして、純の母です。高谷君の事は純から聞いてます。明日は高谷君がうちに来るのね」

「はい、よろしくお願いいたします」

「じゃあ、今日はしっかり純をサポートしてね、それと高谷君のご両親によろしくね」

「はい」

さすが純の母親だ、純に似てる。

とてもきれいな方、おまけに、ずーっと仕事をしているということもあるのだろうけど、どこかしっかりしていて、言う事が的を得ている。


ありきたりな “あら~すてきな彼氏ね、お似合いよ、よかったわね、・・・・” も大事だろうけど、それより大事な事。

俺がしなければならない事は純のサポート、純にとっては初めて会う人、それが彼氏の両親、純が緊張するのは当たり前、知っているのは俺だけ、頼りになるのは俺だけだ、しっかりサポートしなければ、そういう事をサラっとさりげなく言ってくるところなんて『あの村井さん』、の親だ。

俺と接する時の純は少々ヤンデレだけど、それ以外は、俺と付き合う前の、俺に対する村井さん。

上からだけど、グイグイ責める強い村井さんはこの母親の血なのだろう。


今日を乗り越え、明日は純の両親に俺を認めてもらう。

俺はその事を認識し、純をバイクに乗せて家に向った。

純は女子らしくスカートをはいていたが、バイクに乗るので、スカートの上から、俺が持ってきた雨用のオーバーパンツをはいてもらった。

玄関の前、やっぱり純は緊張しているようだ、だから 「純、俺がついてるから、いつものようにしていれば大丈夫」そう言うと、純は「ありがと♡」とにっこり俺の唇にキスしてくれた。

学校で見る純になった。しっかりして、大人びて、それが俺の彼女。

うちの両親に会う、うちの親も緊張しているみたいで、最初はお互いが敬語でありきたりな挨拶と会話、そこに妹が2階から降りてきて、純が妹と話し、俺が加わり、やっと砕けてきた。


母親が

「克己が彼女を紹介したいって言うから・・・そうしたらこんな美人でしょ、最初は緊張しちゃって、でも純さんってしっかりしてるのね、克己みたいなお子様で大丈夫かしら」

「いえ、克己さんはしっかりしていて、私は何度も助けてらいましたし、受験勉強の仕方や予備校も紹介してもらい感謝もしてます。私にはもったいないくらいとても素敵な彼氏です」

「あら、そう? そうなら良かったわ」・・・・の会話がされて、皆で一緒に晩御飯を食べ、純は普段から妹と2人で家事をしているから、後片付けを手伝うと言ったけれど、今日は特別だからと言って断られたので、その後、俺の部屋に来た。

純にとって初めての部屋

「かっちゃんの部屋だ~」そう言ってベッドにダイブ、「かっちゃんの匂いがいっぱい」そう言って枕にスリスリ,目の前でされると・・・照れる。

俺も一緒にベッドに横たわり・・・キス・・・・でも「きょうが我慢する」

「うん、我慢する」そう言ってキス・・・・・なんとか2人そこで留まって、ベッドに座り直し、俺の部屋を見渡す。

「かっちゃんの部屋ってラブコメやアニメ関係の物があるんだ」

「うん、結構好きで、息抜きに読んでるんだよ」

「そういえば、菅井君、それと土屋君だっけ とよく話しているものね」

「うん、あの2人はプロ、俺はあいつらほどじゃないけどね」

「ふ~んそっか、私もラブコメ読もうかな~」

「まあ、息抜きになるならいいんじゃない、でも俺に合わせようと無理はしないで」

「うん」

そうこうして、純を送っていくと言って、バイクで純を家まで送り、「じゃあ明日ね」

「うん、頑張るよ 」 と言ってキスして帰ってきた。

家に帰ると母親が

「純ちゃんってモデルとかやってるの?」

「いや何もしてないよ」

「すっごい美人よね、背も高くてスタイルも良さそうだし、普通の高校生に見えないわよ」

「うん、そうだよね」

「大丈夫?」

「何が」

「あんな美人さんだから、他に彼氏ができて振られちゃうんじゃない?」

さすがにもう深~い繋がりがあるとは言えなくて、純が俺にべったりと言ってもおそらく信用してくれないだろうから、

「まあ、大丈夫だと思う」

「しっかりするのよ」

「うん、わかってる」と言って、その日は終わった。

ちなみに父親はほとんど話さずニコニコ、言った言葉は

「息子をよろしく」だけでした。

次の日、いよいよ純の両親に挨拶



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