第9話なにもない高校生活
なにもない高校生活
夏休みが終わり、学校に行くと、皆、最初の話題は夏休みに何をしたか、そんな話で盛り上がっていたが、1週間もしないうちにそれも落ち着き普通の生活に戻る。
隣が席になって親しくなった女子=佐々木さんが、今隣にいる女子=山本さんの所に雑談をしに来ていたので、何気なく2人に
「夏休みは何してた?」と聞いたら、山本さんが
「別に、何もなかったよ、普通、女子の五人と一緒にプールに行ったのと、ショッピングモールに買い物したり、カラオケ行ったりしたぐらいで、あとは普通に家にいた」
佐々木さんが「高谷君は?」
「俺、何もなかった。ほとんど家にいた」
すかさず佐々木さんが
「あれ?高谷君、彼女いなかったっけ?」
「うん、ふられた」
「あっ、ごめんなさい」
「いいよ」
「やっぱり、そうか~」
「えっ?」
「あのね、高谷君の彼女と会ったことあるんだけど、高谷君の彼女って結構派手だよね」
「・・・うん」
「○○大学付属女子高校でしょ」
「うん」
「私の友達が同じとこに行っててね、実は、高谷君の彼女の友達なの」
「そうなんだ」
「GWがあけたころ、大学生と合コンあるから来ない、って誘われてね、大学生と合コンなんて大人のすることだと思っていたら、私の学校だと普通だよって言われてびっくりしちゃって、で何度も誘われるから1度行ってみたの、そこで高谷君の彼女に会ったの」
「高校名を言ったら、彼氏と同じ高校だって言うから、名前聞いたら高谷君だったの、聞いてなかった?」
「うん」
「彼女、すごい大人びてるわよね」
おそらく化粧をして、そういう服装だったのだろう、あの彼氏といた時のような。
「彼氏がいるのに、こんなところに来ていいの?って聞いたら、断ってたんだけどしつこく誘われるから1度だけ、ってことで来たんだって、まあそんな感じでね~ 」
「ああ・・・・・・そっか~」
なんとなくわかった、そういうことか、どうしたら大学生の彼氏なんかが とは思ったけど、そういう合コンか・・・・・・。
「やっぱり、卒業して違う高校に行くと難しいわよね」
「‥‥‥」
「ごめんごめん、でも早いうちにそうなって良かったと思うよ、あの学校って皆派手で、ほとんど大学生の彼氏持ちばっかだから、早いうちに・・・・・・言い過ぎた、ごめん」
「いいよ、そうだよね、そう思うよ」
「やっぱり大学生?」
「うん、そう聞いた」
中野さんが詳しく聞きたいかのように聞き出してきたので、それに気が付いた山本さんが気をきかせて、話題を変えてくれる、
「そんな事だったらRINEで皆誘えばよかったのに、暇な人は来たと思うよ」
「そうなんだ、何か皆で遊ぶのかなってグループRINE見てたけど。何もなかったから」
「皆同じよ、私たちも、仲良くなった5人と1,2回会って遊んだくらいで、結構暇だったもの、グループRINEで誘われたら、用事がなければ行ったと思うよ」
佐々木さんが「じゃあ 高谷君を誘ってあげればよかったね~」
「ほんと、遊んであげればよかったね~」と2人。
俺の夏休みは彼女に振られ、それもみじめな振られかたをした最悪の夏休み。
こんなことだったら佐々木さんや山本さんにRINEで一緒に遊んでもらえば良かった。
ちょっと上から目線が気になったけど・・・・・・。
佐々木さんも1度席が隣になった事があり、それから親しくなった女子。
2人とも、クラスではかわいい方で、他のクラスの男子に交際を申し込まれたことがあり、どうやって断ったら良いか相談されたことがある。
1年の時は、最悪の夏休みが終わって、秋になっても何もおこらず、クリスマスも正月も家族と過ごして、結局最初の予定では1年は遊んで2年から受験勉強を開始する予定が大きく崩れてしまった。
学校の帰りも何もなく、まっすぐに家に帰る。
中学の卒業の時に、一緒に遊ぼうと言ってくれた女子も1度バクドで話たくらいで、たまにRINEが来るけど、クリスマスの頃にはほとんどRINEもしなくなっていたし、
時々、佐々木さんと山本さんから、彼女のいない高谷君につきあってあげると言って、帰りにバクドに行き、3人で雑談をする程度。
俺は何もかもうまくいかず何もない高校最初の1年が終わり、春休みにバイクの免許を取得するため、教習場に通って、バイクの免許を取った。
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