4ネックレスの力
私とシャノンは黄金のネックレスの封印を解く方法をあれこれと相談した。
「何か呪文があるのかな?」
「う~ん・・どうだろう・・ダニエラはリサに解けるはずと思っていたようだけど・・」
「アブダカタブラ、アブダカタブラ・・・」
私は何となくそんな言葉をつぶやいてみた。
が、黄金のネックレスにはなんの変化もなかった。
「ムーンクリスタルパワーよ!出でよ!」
もちろん、ネックレスは微動だにしなかった。
「何?それ?」
シャノンがおかしそうに言った。
「まさかね・・シャノンは知らないと思うけど、私の世界にあったアニメの決り文句的な・・・アニメっていうのはお話を分かりやすく、動く絵にしたって感じのものね・・」
「へぇ~。絵が動くんだ~。そんなのがあるんだね。見てみたいな」
「そうだね・・シャノンも私の世界に来れたらいいのに。いつでも見せてあげられるよ」
「ありがとう」
「でも、やっぱり、そういう呪文とかじゃないよね・・いくら考えてもでてくるってもんじゃないし・・」
「そうだ!リサ。ネックレスに何か書いてあるとかないの?」
「ほんとだね。灯台下暗しだ」
私はネックレスを外して、じっと観察した。とてもきれいな模様の細工が施されていて、見ているだけでうっとりとしてしまう。誰もが手に取りたいと思うような魅力があるネックレスだが、この独房では薄暗くて、細かなところまでは見えないはずだった。しかしながら、私が手にとると、ネックレスは柔らかく手に馴染み、温かい光を放ちはじめた。薄暗いこの独房で、単独で黄金のネックレスが光るって普通はありえないと思う。この神秘的な光はネックレスに秘められたパワーなのだろう。
「きれい」
思わず声が漏れる。
シャノンと私はその一言を言ったきり、後の言葉を失ったようにネックレスの光に魅入っていた。
そのうち、ネックレスが放つ光は柔らかではあったが、ゆっくり、本当に気づかないくらいゆっくりとではあったが弱くなったり強くなったりしていることに気づいた。
「光がまるで生きているみたいだね」
私はうっとりとして言った。
黄金のネックレスの光に照らされているシャノンの顔も少し興奮しているみたいだった。
「このネックレスの温かい光ってリサの持っているムーンストーンのパワーと干渉しあっているんじゃないかな」
「おばあちゃんはこのネックレスには魔力が封印されていると言っていたと思うけど・・」
「もしかしたら、リサがムーンストーンのパワーをネックレスに注ぎ込むことで、ネックレスに封印された魔力とリサのムーンストーンのパワーが干渉しあって、増幅するのかも・・」
「確かに・・今私は無意識だったけれど・・・ネックレスに秘められたパワーと私のパワーが緩やかに干渉して柔らかく光を放っているのかもしれない」
「その力が、うまく干渉して最大級に増幅したときに、もしかしたら・・・」
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