第61話「ある天才とその助手の追憶」‐Side 仁人&七海‐



 さて、役者は揃った、見せてくれよ俺の大事な大事な実験体モルモット。お前の真価を……。俺はこの時が来るのを待っていたのだからな……。あのクリスマスイヴの夜、あの戦い。空見澤市全体で実験体を探していた俺の目の前にお前は現れたのだから。そう、まだお前は中学生だったな……そして俺も……。





 モニターの中では粗暴な人間達が殴り合いをしていた。俺のパートナーを買って出てスポンサーとなってくれた少女、千堂七海の趣味と実益を兼ねて開いている非公式の賭場の一つだ。この殴り合いが金になるのだから理屈としては理解出来ても、個人的には理解したくない光景だ。実に非効率だ。


「七海、これが見せたかったものか? 不良同士のケンカを見せられてもな……正直なところ野蛮としか思えない」


「仁人様。最近は全く休んでおられないのでこれをご用意したのですが、やはりお気に召しませんでしたね?」


「ああ、だが興味の無いものを見せるとは……俺はそんなに休んで無かったか?」


 七海の考えは分かるし俺も自覚はしているが研究をしているのは楽しい。だから休憩時間も結局は研究の事を考え最終的に脳を休めないで過ごしてしまう。彼女はそんな俺のために興味の無いものを無理やり見せて眠気を誘う。実はこれが効果的で上手く健康管理をしてくれる。こういう点でも彼女は得難いパートナーだ。


「ん? これは……」


 しかし今回は少し事情が違った。ある研究のためのにこの大会はモニタリングもしている。精度はイマイチだが変わった脳波やある特殊な資質を持つ人間を探していた。それは感情を極限まで爆発させるような、脳にとんでもない変化をもたらすような人間だ。そんな人間は中々居ない……だがどうだろう、簡易型の外部からのモニタリングだけでも有り得ない数値を指し示している。


「仁人様? どうされたのですか?」


「少し気になる人間が居る……この少年だ」


「ああ、彼ですかこの闘技場の最年少の子です……ほんとですね……この脳波……ですが計器の故障とも考えられます」


 その通りだ。あんな粗暴な環境に置いてある定点カメラと観測機器では彼を理解出来ない……だからこそ彼を観察したい。それから俺はストーカーのように彼をカメラ越しに調べ上げた。そして彼の感情が最も高まる瞬間を見つけた。


「やはり恋、愛、友情……だが彼はとりわけ……」


「そうですね。一人の少女に固執しています。ここまで来ると狂気に近い……それは相手もですけど……彼はそれを狂っているとは認識していない?」


「素晴らしい……ここまで脳の思考と心と呼ばれる不確定要素の動きが一致していない者も中々居ない……サンプルに使えそうだ。経過観察を引き続き頼む」


 そして俺はそれから何度も彼をそして彼の想い人の二人を観察し続けた。今の高校生の彼とは違ってまだ幼い彼はこちらの誘導にも気付いていない。七海の権力と金はこう言う時に本領を発揮してくれた。


「しかし人間とは度し難い生き物だ……誰一人として彼の優秀さに気付かない。そしてそれこそが彼のコンプレックス。故にそこに付け入る。なまじ中途半端な才が有る人間が周りにいるだけで本物が隠れる……よく有る話だよ。俺にも経験が有る」

 

「ええその通りです。一芸に秀でた人間などしょせんは一時の輝き、万能型こそがもっとも有効活用されるのが世の常。どこまで行っても特化型はそれだけしか出来ない。だから彼らは嫉妬し万能型に『器用貧乏』などと蔑称を与え留飲を下げる。何でも出来る人間。それこそが人間の本来目指すべき極致なのにも関わらず」


 まずは彼の周りの人間を使い彼を追い込む。両親、周りの人間、学校、商店街、そうだな……後は敵、それらを先導させたのはさすが七海と言うべきか、俺はプランを立案出来ても実行力や人間の機微には疎い。だから微調整は七海に一任した。結果、彼は孤立した。だが例外があった。


「申し訳ありません。例の道場、絶対に首を縦に振りません。外部からの干渉が限界です……力及ばず申し訳ありません」


「気にしないでくれ七海。むしろ彼には不確定要素があった方がいい。現に彼は自分の意思で道場以外の場を捨て始めている。俺たちが手を出す前にもその兆候はあったそうじゃないか……彼は頭はいい。だから不要な物を切り捨てるのも早い。ここは彼に任せようじゃないか……引き続き彼の中学での監視サポート要員の増加と、そうだな彼女の方にも何人か君のグループ企業の子でもさり気無く近付けてやってくれ」


「はい。ではちょうどいい子を見つけて有ります。それと教職員も既に半数以上がこちらの手に……彼の学内での行動は可能な限り黙認させています。これであの中学校は、こちらの箱庭になったと言っても良いでしょう……」


 さすがは私のパートナーだ。素晴らしい。彼女の献身に感謝をしなくてはならない。私の出切る最高の知識か発明を彼女に譲渡しよう。それが片手間に作った発明品程度でも彼女は喜ぶはずだからな。





 そしてそれから数か月、彼は徐々に孤立を始める。いや俺たちが孤立させた。だがアメも与えなければならない。実験体モルモットの世話は大変だ。そもそも負の感情だけで脳を抑圧させ過ぎては彼が壊れる可能性すら有る。それはそれで見たいが今はダメだ。データ収集の途中なのだからな。


「ふむ、やはりな……彼がこの相手の行動を読んでいるような動き、これをした時に脳や彼のバイタル全てに大幅な変化が見られる。驚異的だな。一流のスポーツ選手が『ゾーンに入る』と言うものなのか?」


「私には何とも……ですがこの能力を発動させてから彼の性格、言動、行動に理性が追い付いていないように見える節が有ります」


 彼らの聖夜での決戦、彼はこの前に最愛の人間を拒絶した。彼は違うと言うだろう。しかし彼女をここまで誘導するのは骨が折れたと七海は言う。なるほど確かに本当のイレギュラーは彼女なのかも知れない。そんな事を考えていると彼と彼が慕う高校生たちの戦いが始まった。


「ふむ、野性的な思考? いや思考と言うのは間違っているな。本能? それで動いている? これを先読みと……おや、終わったな。やはり彼らの勝利か……花火に煙幕と中々エンターテイナーじゃないか? では予定通り七海。警察への根回しと現場の人間へは?」


「問題無く。スケープゴートも込みで厄介な刑事も足止めしています。今頃は駅前でしょう。老練な人間なので気付かれる恐れもありましたが問題無いかと」


 七海の采配は完璧だった。俺はそれを聞くと、すぐにデータの解析に入る。素晴らしい、いくら成長期の中学生とは言え、これほど脳の活動が活発化するなんて滅多に無い。今夜は徹夜かも知れない……。


「どうした? 七海? 俺はもう少し研究を続けようと思うんだが? もう休んでくれて構わないぞ?」


「いえ、その……」


「ん? 昨日はキチンと寝たし栄養も七海の用意してくれた物で摂ったはずだが? 問題は無いと思うのだが……?」


 出来れば早く彼、春日井信矢の分析に入りたいのだが……。


「その、差し出がましいとは思ったのですが、今夜はクリスマスですのでこれを……その……ご用意しました」


「クリスマスプレゼント? と言う奴か……すまない。俺はそう言う物を用意していなくてな……セーターにマフラーか……感謝する」


「いえ、私が、そのっ……勝手にご用意した物です。このラボは夜は少し冷えますので良ければ……あっ……」


 俺は貰ったものはすぐに使わなくては気が済まない。だから上着を脱いでセーターを羽織りマフラーを巻いた。七海の顔が心なしか赤くなっているな……まさか彼女の方が風邪でも引いているのか?彼女にそれを問うと、何でも無いと言う返答が……彼女はそう言う点では嘘は付かない、信用している。一応は脈をはかり額の熱を確認する。少し熱いが問題は無いだろう。


「本当だったようだな。君は俺にとって大事な助手でパートナーだ。体には気を付けてくれよ? 一人の体では無いのだからな?」


「はっ、はいっ!! では今夜これで失礼……しますっ!!」


 普段は冷静な彼女でもやはり今日は何かあったのだろうか?健康にだけは気を付けて欲しい。私の研究に欠かす事の出来ないと言う意味で彼女の体は一人のものでは無く私の研究の大事な要素の一つなのだから……しかし俺も天才などと呼ばれながら最後は彼女に頼る……。色々な意味で彼女をもっと大切にすべきか……。



◇ 視点変更 ~七海Side~ ◇



 研究室のドアをパタンと静かに閉じて私はフゥとため息をついた。あの方は本当に困る。ドキドキしっ放しだ、未だに私は、あの方にとって役に立つパーツとしてしか見られて居ないし、それを望んだのは私自身だ。


(そうでも言わないと仁人様の傍に居られなかったからだけなのですけどね……)


 今でも思い出すあの方との初めて会った日の事を……。当時の私は自分を天才だと思い込んでいた。小学生で既に高校生の範囲の勉学はほぼ出来ていて千堂グループの中で頭角を現していた。他の血族に妬みや嫉みなど当たり前だった。

 私の生家では実力こそが全て、実際今のグループ統括者の祖父は三男だったと聞く。そして祖父は優秀であれば取り立てる。私の頭脳が明晰だと証明してからは私に様々なバックアップをしてくれた。そんな中で私は天才中学生と裏の世界で呼ばれている同い年の少年と引き合わされた。


夢意途 仁人むいとまさひとです」


「初めまして天才児の千堂 七海です。同じ天才同士よろしく」


 しかし僅か数日で私は思い知らされた。本物の天才と偽物の天才、いや秀才程度でしか無かった自分自身に……。だから私は何としても仁人様に勝つために様々な形で挑んだ。もちろん彼に勝る点はあった。

 しかしそれはあくまで実家の権限や私の資金力によるもの……つまり純粋な力では何をやっても私は彼に勝てなかった。そして何より彼の天才としての在り方に完敗した。


「千堂、俺は自分を天才なんて思っていない。ただ研究を進めて自分の目指す極致とそして永遠の疑問を紐解きたい、ただそれだけだ。少なくとも君のように権力の為に私は自分の才を使わない」


 最初はきれいごとだと思った。でも違った。彼はどこまでも愚直に研究を愛していた。人間を見る目は自慢じゃ無いが有る方で、その点でも私は祖父に過大に評価されていた。だから彼が真摯に研究をしているのが分かった。その姿勢に心の底から焦がれ、そして彼の最終目標を聞いて驚愕した。そこで私は自分の気持ちにも気付いてしまった。


(あの日、私は仁人様に会ったのは運命だと思った。この人を一生に渡り支えたいと、この人のために尽くしたいと……)


 だから私は彼に必要とされる人間になるしか無かった。幸い仁人様は研究者にありがちな慢性的な資金不足に悩んでいた。だから私はそこにつけ込んだ。彼の当時の唯一の弱点だったからだ。そして今は私が居るのでその弱点も解消されている。私の権力と、そして資金力これこそが彼のために出来る最大の献身だった。


「だから私のために犠牲になっていただきますね。かわいそうな実験体とその番、春日井信矢くん、それに竹之内狭霧さん。大丈夫です死にはしません。壊れてしまうかも知れませんが……ふふっ……」


 私は自室に戻りファイルを確認する。少しの罪悪感とそれ以上の高揚に包まれる。彼らの犠牲で私の全てが叶う。そんな事を思っていたらノックの後に黒服、私の幼少期からの執事の佐伯が入室した。


「お嬢様。失礼致します。例の件問題無く終わりました。しかし……」


「問題が? ああ……蛇塚組ですか? 鼻薬は嗅がせたのでは?」


「あちらの言い分では下部の組織それを二つも潰すのだから、心付けを増やして欲しいと……」


 ふう。私は即座に試算する、そして今後の事も考え今は従うのがベスト、今の私の資金力は祖父を頼っても運用できるのはせいぜいが数億程度、まだ足りない。仁人様の研究費はおじい様にほとんど出してもらっている現状だ。その辺りも収益を上げなくては……しかし今、蛇の親に出て来られては『シャイニング』は壊滅する。それはマズい、彼らには相応しい場所で散ってもらわなくてはならない。


「分かりました。交渉については佐伯、それと弁護士の資格を持っていた野高の二人で事に対処して下さい。頼みます」


「はっ、かしこまりました」


 その後、交渉は上手く行ったので予定通りにシャイニング側の勝利に終わった。しかし逮捕者が137名とは驚かされた。この大乱闘事件が報道されては困るので徹底的に圧力と権力と金を使った。何社か新聞社は正義感の有る人間が動いたが他のマスコミ関係者、そして一部のネットのメディアも全て黙らせ代わりにグループへの口利きや利権を吸わせる。気になった点と言えば公園内のカメラにハッキングの形跡だ。それも後に判明するがこの時は全てをもみ消した。こう言う隠蔽工作ばかり上手くなってしまう。


「どう言う事ですか? そんな計画は聞いてませんが?」


「はっ、どうやら蛇の残党が実験体側に仕掛けたものだそうで……現在彼らは劣勢です。小さな廃工場に追い詰められているようです」


「直ちに彼らをっ――――「待ってくれないか? 七海。せっかくだこの機会利用させてもらおう、脳波が良い感じだ」


 確かに春日井信矢のバイタルが凄まじい事になっている。凄まじい脳の活性化が起きある種の覚醒状態と言っても過言じゃない。そしてモニター越しの彼も明らかに異常だった。


『アニキッ!! 左3、右4、後ろに2……行けます!! 俺が先に!!」


『バカ野郎!! こんなとこで戦わせるわけにはっ!!』


 そう、ここは廃品や様々なものが置いてある廃工場、ここに追い詰められた彼らは珍しく油断していたのだろう。現に三人組づつに分断されていた。


『片腕の一つでこじ開けます!! 愛莉姐さん!! あと頼みます!!」


 そう言うと彼、春日井くんは二人の攻撃を同時にかわして中央の二人に突っ込む。敵の親玉、つまり中央を叩く、定石な戦法だと思うだから当然それは相手も考えている。右サイドに隠れていた人間の一人が彼に鉄パイプで殴りつける。しかし彼はそれを左肩で受ける。


『その程度っ……いってぇなぁ!! 片腕くらい……最初から計算済みだ!! アニキっ!! あと任せます!!」


 彼はそう言うと右サイドの四人相手にがむしゃらに突っ込んで行く。高校生と中学生の体格差をものともせず、片腕の状態で遮蔽物を利用し有利に戦う。さらに施設を利用していく、さらに時には自分の負傷した左腕を庇わず逆に囮にしてまで時間稼ぎを継続していた。


「なんなの……この子……痛みは、無いの?」


「お嬢様……これ以上はご覧にならない方が……」


 彼の鬼気迫る異様な戦闘行動、結局はこの後に他のメンバーと合流し逆転し廃工場を脱出後に彼らの逆襲が始まり勝利を収めた。だけど異様だった。後で聞いたら脱臼した腕を盾にして、普通の人間なら痛んだ部分を庇うはずだ。

 それを彼は壊れて使えないからとまるでロボットのように、部品のように自らの体を使っている。しかも最後は気絶している。まるで機械?それ以上に彼の戦い方の変わり様に私は恐怖を覚えた。


「素晴らしい……これはゾーンではない……口調も違う……いや、早計か……だが俺の推論では……おそらく……」


 この二月の廃工場の戦いの後に仁人様は更に彼に執着した。それに合わせ私も彼を調べた。今までは流し見していた情報も精査する。そこで妙に納得してしまった。彼の行動と狂気の正体を……。


「そう、本質はあなたも私同じなのね……」


「どうした? 七海? それは信矢のデータか……今更どうしたんだ?」


「いえ、少し気になる点が有りまして少し見直してました。あの、仁人様はどうされたんですか?」


 仁人様は効率主義の権化のような方だ。何も無ければ私に話しかけてなんて来ない。それはよく知り尽くしている。


「ああ、少し意識を無くしているように見えてな。気にかかった。杞憂だったようだ忘れてくれ。邪魔をして済まなかった」


「いえっ!! そんな、ご心配おかけしました!!」


 仁人様に気にかけて頂けるなんて、これだけで彼のパートナーになれて良かった。少なくとも彼の研究の一部にはなれているのだから。そう、彼、春日井信矢もそう言う心境なのだろう、本質は他者への依存では無く狂気的なまでの献身。依存など生温いほどの尽くしたい奉仕の心。今は分かって居ないけど彼の想いは恐らく最初から変わっていない。




 そこから更に戦いは続いた。血の蛇も中々やってくれるようで残党が思いの外、健闘していた。だから手を貸した。これも春日井信矢強いては竹之内狭霧を追い詰めるための罠。途中で血の蛇の実質的なリーダーの須藤の妹を見つけてしまった。彼女の境遇に同情の余地があったので私は提案した。


「あなたの協力次第では全て元に戻ります。ただし実の兄の生殺与奪権を頂きますが? それでも良ければなのですが……」


「構いません。兄のせいで一家は離散しました。お父さんもお母さんも職を失って……妹と弟も施設に……兄なんてどうなっても構いません。私の大事な家族を返して下さい!!」


「分かりました。お父様とお母様への再就職は私の権限で明日にでも連絡を差し上げます。ですので竹之内さんの監視。お願いしますね? 須藤歩美さん?」


 彼女は想定以上の事態にもめげずに私の予想以上の成果を上げてくれた。だから彼女の高校の費用及び彼女の下の子たちの学費などは密かに手を回して奨励学生とした。同時にご両親にも私の持つ企業の一つに入れた。何より私は須藤さんが思った以上に使えるので今後の彼女の協力のために両親を人質に取る事にした。


「では佐伯、直接この手紙を道場の方に……仕上げです。情報では彼は今は仁人様の予想を超えた変化を起こしているそうです。決して不用意に接触はしないように……頼みますよ」


「はっ!! では失礼しますお嬢様」


 そして彼は来た。私のお小遣い稼ぎのこの裏闘技場へ……学ラン姿?確か彼の学園はブレザーでは?今度は何を見せてくれるのか?私は楽しみにしてモニターの前で待つ。横では同じような顔をした仁人様も居る。


「素晴らしい!! やはり……彼は二人になっている!! こんな人間が現実に居るなんてキッチリ脳波にも出ている……まさかまさかまさかっ!! 多重人格者だなんて!! 最高の素材じゃあないかっ!! あははははは!!」


(彼の笑顔、彼の興奮の高ぶりこそが私の喜び、だから盛大に壊れて下さい? 春日井くん?)


 その後、彼は四人の成人男性を倒し連戦を勝ち抜いた。なので私と仁人様は彼の前に姿を現した。その後、ラボでの実験に入るのだがその成果が……。




 私の想い人は彼らがやって来る直前に言った。今日ここで最大の実験をすると、私は内容は問わなかった。私がしたのは旧シャイニングのメンバーを集める事だけだった。そして彼は私の想像を越えた一言を言ってくれた。


「なあ信矢、ここで第二災害人格を出してくれないか?」


「「「っ!?」」」


 すぐに反応したのは春日井くんと狭霧さんそして愛莉さん。他は事情を知らない人間だらけ、しかし私は確信していた。これは何か大きな事が起きると……。

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