第62話「違和感と存在意義」‐Side 信矢&狭霧‐


「え? ドクター何を言ってるんですか?」


「今言った通りだ今日この場をセッティングしたのは、そのためだぞ?」


「ちょっと七海、それにあんたも……今ここでは」


 事情を知っている五人に対して知らない残りの五人が困惑していた。当たり前だ今日の主催はあくまでアニキとこの新生シャイニングの集まりと顔合わせがメインだったからだ。そう言えば……。


「あの、アニキ。サブさんは? ここに居るのかと思ったんですけど?」


「ああ、あいつ日本に居ねえからな。戻って来たら連絡するってよ」


「えっ!? 本当ですか? サブとかパスポート持ってんのかよ……」


 竜さんが珍しく敗北感を露わにしているのが面白くて笑いそうになったけど、これでうまくごまかしたと思う。第二って何?とか聞かれる前にサブさんを弄ってこのままお店の話をして解散。これで行こうと愛莉姉さんと狭霧を見るが狭霧はこっちを見ないでドクターに噛みついてしまった。


「今ここで信矢が多重人格になった事を話す必要あるんですか!? 七海先輩に仁人先輩もっ!! 信矢がせっかく昔の知り合いと会えてるのにっ!!」


「「「は?」」」


「あぁ……狭霧ちゃん……」


 愛莉姉さんが頭を抱えて、俺も天を仰いだ。見ると相良さんと真莉愛さんも狭霧と俺を気遣わし気に見ている。そして最初に立ち直ったのはレオさんだった。


「シン君? 今の冗談……じゃないんだよね?」


「……はい。信じられないかも知れませんが……今ここに居る私は過去にあなた達と共に戦った人格ではありません。ですがっ、記憶だけは共有しています」


「なっ、いやいやネタだよな? いい加減にしろよ?」


 そこで俺は改めて話す事にした。ES276は朝から飲んで居るので問題無い。だから頭痛はほとんどしない、後は気分の問題だ。レオさんは真剣に、竜さんはだいぶ慌てていたので横の相良さんに落ち着くように諭されていた。そして肝心のアニキは目をつぶったまま一言「続きを話しな」とだけ言って俺を促した。


「そんな事有るの? でも、零音? 聞いてる?」


「ああ、真莉愛。しかしそれはあくまで、そこの天才さんの言う事が本当ならばだ。シン君が騙されて暗示でもかけられている可能性も有るからね?」


「確かに甲斐さんの言う事はごもっとも。なのでここで見せてあげた方が良いと俺は考えた。それだけさ」


 ドクターは自信が有るのか余裕を全く崩さない。一体何が目的なのか?いや分かり切っている話じゃないか、この人は基本的に研究以外に興味は無いのだから……。彼の研究のため、しかも契約は更改された、狭霧に話さないと言う枷が無くなった以上、ドクターが治療行為に必要と考えたなら話す事も可能となっている。


「お前のメリットは有るのか? ああ、データ収集って奴か? それとも何か他にもあんのかよ?」


「ふ~ん。なるほど……ご丁寧にデモンストレーションを、ただ悪いけど、そう易々と大事な友の事を決める訳には……いかないね」


 レオさんと竜さんがドクターを同時に睨みつけた。だがアニキは沈黙したままで愛莉姉さんはオロオロして見ている。


「シン……今のは本当か?」


「はい。アニキ……事実、です」


「おう、それで今の話じゃシン、お前は尻尾巻いて逃げ出して別のテメェに切り替わってるって事で良いんだな?」


「そう、です……」


 そう言うとアニキが目を開いた。そしてドクターの事を始めて見るとドクターがビクッとするのは意外だった。睨みつけたのでは無く見るだけ。それだけで今度は私の方を見ると口を開いた。


「変われ、シン」


「でも、アニキ……第二は本当に別格で……」


「良いから変われよ、自我変更だったか? 出来るんだろ?」


 アニキは無表情で私に迫った。そしてそれだけ言うと黙って見る。昔も向こう見ずで勢いに任せていたけど何か今日は、てか再会したアニキは昔と違って少し落ち着いて見えた。


「あっ、あのっ!! 信矢は嫌がってるんで今日は……」


「ん? あぁ……確かにお前には止める権利が有るな……ならよぉ、シン? 女に庇われてこのまま自分を偽って満足か? それが漢か?」


 そう言うとアニキはニヤリと笑った。だから私も覚悟を決めた。そうだ私がボクや俺が憧れ焦がれたのは、この人が教えてくれたのはそう言う事だ。強くなりたいんだ……彼女のために……。


「あのっ!! 信矢だって頑張って――「アニキ、暴走したら後は頼みます!!」


「よく言った!! それでこそ俺の舎弟だ!!」


 狭霧が騒いでるけど愛莉姉さんに止められてシュンとしている。この第三を気遣ってくれるなんてやはり狭霧は良い子だ。そして私はメガネを取ると意識を手放した。


自我変更エゴチェンジ……ねぇ……ご大層な名前だよな? だが感謝してやるよ変態野郎と千堂のお嬢、もう一度アニキや皆さんに会えたのだけは感謝だ」


「七海先輩、大丈夫なんですよね?」


「仁人様は不可能な事は致しませんよ。少なくともまだ彼には利用価値は有りますからね?」


 後ろでは愛莉姐さんとアイツが居て千堂のお嬢と何かを話してやがる。俺はそれを無視して改めてレオさんを竜さんをそしてアニキを見る。今なら分かるこの人達の強さが、だからそれが理解出来るくらいに自分が強くなれた実感がわく。だって前はただ目の前の壁としか捉えられず強さすら正確に測れなかった。


「おい信矢? もう変わったのか? メガネ取っただけだよなぁ?」


「ええ、変わりました竜さん。別に俺は今まで通りですよ」


「うん。むしろメガネも取ったし一人称も僕たちの知っているシン君だ」


 レオさんと竜さんは俺を認めてくれている。そうさ、あの弱い第一やその理想形の第三?いいや俺こそが前に出るに相応しい。そうですよね?アニキとそちらを見るとアニキは驚いた顔していた。


「はい、これが俺の本当の――――「ちげえなぁ……お前、何回か見た事あんぞ? シンが肩ぶっ壊した時と後は一回だけ稽古してやった時か? そうか、違和感はお前だったのか……なるほどな」


「何を……俺はっ!!」


「ま、根本は変わってねえみたいだが、これは……」


 アニキには何が見えてるんだ?メガネは取っているし口調は昔の俺に戻った。今までが違和感が多かったに違いないはずだ。俺こそがあなたのただ一人の舎弟なんだ。なのに、なぜそんな目で俺を見るんだ。


「やっぱり……シンじゃないよ。コイツは!! こんな怖い人はシンじゃない!!」


「けっ、黙ってるなら何も言わねえで居てやったが相変わらずキャンキャンうるせえなぁ……クソ女が」


「「「えっ!?」」」


 そう言った瞬間、千堂のお嬢以外の女性陣全員がこちらを驚いて見ていた。そして同時に竜さんとレオさんの表情が引き締まった。


「これは……確かに君は少し違うようだね?」


「ああ、まださっきのメガネの方が似てたわ。確かに別人だ」


「な、何を、コイツは!! 皆さんを売ったんすよ!! こんな奴が幼馴染とか俺はそれを謝りたくて決別したくて」


「シン。俺が見た瞬間どうして分かったかは二人と同じだ。そこのお前の幼馴染を見る目が尋常じゃねえ。と、言うよりもさっきから全部そうだ。お前を通して幼馴染のその子……竹之内か? その子へのお前の対応を見ていた。だからすぐに分かった」


 軽く一息を付くとアニキは俺に向かってハッキリ言う。


「色々悪いもんがグチャグチャになってるけど結局はこれだな……ああ、お前、ただ引っ込みが付かなくて不貞腐れてるだけじゃねえか?」


「なっ!! アニキ!! 違いますっ!! 俺はソイツを狭霧を憎んでいます。皆さんへの仕打ち、そして他のチーム皆さんへ償う事も無く、のうのうと甘やかすバカ二人と仲良しごっこ……だから俺はっ!!」


「他の二人? ああ別の人格とイチャイチャしていて羨ましかったか? 相変わらず執着心が凄いな? シン?」


 いい加減にしろ。俺は思わず低い声を出していた。アニキと言えど、いやアニキだからこそ認められない。俺はこの封印されていた間は皆さんへの申し訳なさと何より狭霧への恨みで消えずに居られた。それを嫉妬?笑わせるなよ……。


「アニキ。訂正して下さい。そこの金髪女に土下座でもさせますから、俺が嫉妬しているなどと妄言は……」


「今度は本音を当てられてキレたか……昔と同じだなぁ? その程度か? お前が守りたい――――「ふざけんな、だっ、黙れえええええええええええええ!!」


 我慢の限界だった、だからすぐに拳を、全力の突きをアニキの顔面に叩きこんだ。どうだ?早くて反応出来なかった……はず、じゃ?


「ふっ……ぐっ……強く、なってるじゃないか。さっすがに効いたぜっ……あの時より強くなったな。だがその強さは何のために得ようとした強さか忘れたか?」


 アニキは反応出来なかったんじゃなくて反応しなかった、いや避けなかった。何でだ? 俺の拳はあの時より鋭く強くなっている。避けなければダメージは必須なはず。でも一歩も動いて無い。


「アニキ、すんません俺、頭が真っ白になって、いきなり」


「謝る必要は無い。白黒つけようぜ? シン? 稽古つけてやるっ!!」


「ですが、いや、俺が勝ったら訂正してもらいますっ!!」


「ああ、土下座でも靴でも舐めてやる……来いよ」





 そしてそれから僅か五分後……。俺は無様に倒れた。三発、たった三発でだ、俺はその間に二十は打撃を打ち込んだ。効いているようには見えたけど愛莉姐さんがアニキに文句を言ってる。アニキは苦笑しながらこっちを見るとまたニヤリと笑った。


「ごはっ……前より……強いなん、てっ……」


「シン!!」


 そんで俺のとこには何で真っ先にお前なんだよ……血と胃液でお前の、どう見ても買ったばっかの服が汚れんだろうが、バカ女が……離せよ……。


「さっ、触んなクソ、おんっな、離せっ……げほっ」


「離さない!! なんで、どの信矢も無茶しかしないのよ!! バカは、バカはそっちなんだからっ!!」


 うるせえ……カッコ悪い。本当に俺は弱い……俺は三人の中で一番強い……はずなんだ。それがコイツの膝の上で無様に……なんで一番落ち着くんだよぉ……。


「うっく……ぐっ……ううっ……」


「シン? どこか痛いの? また頭とか? それともあの人に? だったら私が、怖いけど文句くらい言って来るからっ!!」


 たぶん俺は泣いてる。これは悔しいから泣いてるんだ。そうに違いない、だからこれは……違うんだ。見ないでくれ俺を。


「シン。人ってのは嬉しい時にも泣くもんだ。これで気付かなきゃお前は正真正銘のアホって事だ。後は分かんな?」


「アニキ……俺だって、俺だって……でも、何も出来なくて……ただ悔しくて、怒りをぶつけて狭霧を傷つけて、それでも……前に進むしか無くて……それだけが俺の、居る理由で……だからっ……」


「ああ、あの時はあれで良いと思ってた……だけど、済まなかったなシン。後始末を一番年下のお前に全部任せて……それと、よく戦い抜いてくれた」


 あぁ、そうだった、俺は……狭霧を守りたくて、そしてアニキや皆に認められたくて、約束を果たしたくて戦ってたんだ……でも、怒りに囚われて狭霧を憎んで、俺は何をしてんだよ……。


「アニキ……俺、がんばっ、たんすよ……俺は……ボクは……あいつら須藤と戦った時も、あの研究所でも……俺は……さ、ぎり……」


 そして俺はここで気を失った。聞いた話だと極度の緊張状態から解放された結果らしい。



◇ 視点変更 ~狭霧Side~ ◇


「シン!! シン……こんなにボロボロで、もういやだよぉ……私は昔みたいに二人で居られればそれだけで良かったのに……」


「悪かった。幼馴染の、確か竹之内か……。恨み言はあとでいくらでも聞く。舎弟をここまで追い込んだのは間違いなく俺の責任でもあるからな。だから少し待ってもらいたい」


「え? いや、でもっ……」


 私が何か言う前にアニキさん、愛莉さんの恋人の勇輝さんは立ち上がると仁人先輩と七海先輩を睨みつけていた。


「これで満足か? オーナー様よぉ? ここまで踊ってやったんだ、ネタバラシはキチンとしてくれんだろうなぁ!?」


「きゃっ!!」


 そう言うと勇輝さんは私にも見えないくらいの速さで手近のテーブルを真っ二つに壊して近くの椅子を蹴り上げた。愛莉さんは平然としてそれを見ているし汐里さんと真莉愛さんは私と同じリアクションだった。


「おやおや、お怒りかな? 秋津さん?」


「秋津さん、それにシャイニングの皆様も落ち着いて頂けると――「黙れよ!! コイツはな、好きな女のために必死になってただけのガキなんだよ!! 真っすぐに怖いくらいにな……話聞いててきな臭ぇとは思ったが、どこまでかは分かんねえ、だけど……よくも俺や仲間を、俺の弟を利用しやがったなっ!!」


 七海先輩の発言を遮るように隣のコンクリートの柱に拳を叩きつけるとそこからパラパラと欠片が落ちる。す、凄い……ヒビ入ってる。こんな人にシンは鍛えられてたんだ……人間じゃないじゃん。なんて意外と冷静になっていた。


「っ!? 落ち着いて下さい。愛莉さん取り成しを!?」


「七海。悪いけど無理。こうなると勇輝は止まんない。それにアタシも全部は聞かされてない訳だし、まだ隠してるんなら話した方がいいよ? 一応友人としての忠告」


「ふぅ……ちなみに秋津さん、金銭でのとりひ――「断る。オメーみたいな頭良い奴には分からねえだろうがな、こっちは必死に生きてんだ。店なんてまた探せばいい。金も貯めればいい。だけど人は違う。大事な弟コケにされて黙ってるのは俺の矜持が許さねえ!!」


 シンをこんな大事に……良かったねシン、こんなに大事にしてくれる人が増えて。少し悔しいけど……でもシンの良さを分かってくれる人が増えて嬉しい。改めて私は酷い事しちゃったんだ。起きたらこの怖い信矢、第二人格の方にも謝らなきゃ。


「分かった分かった。社外秘以外は話す。俺の趣味と研究のために信矢を利用させてもらっただけさ。だが誓ってラボでは鎮静剤以外は強制的に使う事はしていない。彼が健康体で居る事も私の研究に必要だったからな」


「その分は精神的にいたぶったって事だろ?」


「凄いな、俺は秋津勇輝、君を侮っていたよ……いい洞察力だ。信矢は少し脆くてね。竹之内さんの事を話すとすぐに乱れてしまっ――ぐあっ……」


「それだけ聞けりゃ……じゅうぶんだ。一発だけだ。これで手打ちだ」


 また素早く動くと仁人先輩の頬を殴ったようで椅子からひっくり返っている。そして怒りを露わにしたのは七海先輩だった。


「仁人様っ!! あなた!! 秋津勇輝!! この街に居られなくしてやるっ!! 私の権力すべてを――――「やめ、ろ。七海、今回は俺たちが全面的に悪い。第二を懐柔するためとは言え少しやり過ぎたようだ」


「ですがっ!! 仁人様のお顔をっ!! 駒の分際でっ!!」


「七海先輩、それに仁人先輩。信矢をもう、傷つけないで……お願い、します……」


 また私も泣いちゃってる。ほんと私もダメダメだよ。シン……偉そうな事言ってて、惚れさせてみせるなんて言っても、やっぱり私には信矢を傷つけるなんて絶対に無理だよ。


「さぁーちゃん? また泣いてる……の?」


「シン!! 意識が……でも、今は……」


「ふぅ……第三は自ら停止、第二は気絶中、ならボクが出るしかないよね?」


 そして立ち上がると確かに少しフラついているけど目だけはしっかり開いて私を引っ張って起こしてくれた。


「色々あって起きるのが遅れました。アニキ、それにドクターさんも。取り合えずボクの大事な狭霧が泣いちゃってるんで一時休戦にしませんか?」


「じんやぁ……私だって、泣かないように頑張ったんだよ?」


「うん。エライエライ。それでドクターさん、ここまでしたのには理由が有るんですよね? あなたがここまでのリスクを承知で起こした騒動ならば……。付き合いが一番長いのはボクですから」


 そう言って私の頭を撫でながら仁人先輩の方に言う信矢。仁人先輩は右頬を腫らしてばつが悪そうに頭をかきながら起き上がると、ハンカチを当てていた七海先輩を下がらせた。


「やはり君とは相性が悪いな。第三は御しやすいのだが、ずばり今回は第二を味方につける事が狙いさ。分析では第二は秋津さんに懐いているようだからね。説得を頼んだのだが……まさか肉体言語とは……」


「俺がダチと話す時は大体これだからな。もちろん舎弟ともな?」


「だからって酷いですよ。アニキ。それに狭霧の見てる前でカッコ悪いじゃないですか……」


「確かに、惚れた女の前であれはな……ま、ユーキさん相手じゃ仕方ねえな!!」


「うんうん。でも決闘こそがロマンてね? 今回は稽古だったけど、中々見事な負けっぷりだったよシン君?」


 肉体言語?と、不思議そうにしてると汐里さんと真莉愛さんがため息をついてる。気になって聞いたら二人は声を揃えて「一部男子の悪い病気よ」と言った。見ると竜人さんはニヤリと頷いて勇輝さんを見て、甲斐さんも信矢を見て微笑んでいる。


「ほんと、男って暴力で解決、それにす~ぐ河川敷で殴り合いたくなるんだから」


「そう言うの男子って好きだからね? 狭霧ちゃんも春日井くんの恋人なら覚えてあげて、こう言うの好きなんだよ……ほんとに、こっちの気も知らないで」


 う~ん男の子同士だとこうなんだ。信矢はそもそも私くらいしか仲のいい人間なんて居なかったけどこれから増えるのはやだなぁ。色々と複雑かも。


「さぁーちゃん?」


「ううん。何でもないよ。それより仁人先輩、話してくれるんですか?」


「分かった。話すよ。信矢を直すにしても強化するにしても不安要素の第二は排除するか味方に引き入れるしか無い。だから今日、ここに信矢よりも強い人間が集まる時に鎮圧してもらう必要があった」


 そこで語られたのは第二人格の災害とまで呼ばれる彼を落ち着かせコントロール下におくための作戦だったそうで、そのためにこのお店を餌として愛莉さんを使って私たちを集めたみたい。


「信矢? 第二はまだ寝てるのか? 落ち着いてるなら交渉を開始したいのだが……行けそうか?」


「ええ。向こうも話が有るみたいです。ええ、狭霧、彼も落ち着いてるから傍で聞いてあげて欲しい。頼める?」


「うん。シンをもう一人の信矢も信じるよ……」


 そう言うとシンは少し目つきの鋭い信矢に切り替わった。

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