　おや、レオンハルト王太子を呑み込んだシャークリスティナのようすが……？

　小気味よい効果音（ジングル）を幻聴した者もいるだろう。

　数秒後、サメ化クリスティナ（シャークリスティナ）は勇壮なたてがみをまとっていた。

　聡明（クレバー）なる読者諸君はご存知のとおり、サメは万物を統べる存在（ロード・オブ・ザ・シングス）である。そして“レオンハルト”とは、古代語の“獅子（レオ）”にちなんだ名前だ。ゆえにそれを捕食したシャークリスティナは、獅子（ライオン）めいた威容（フォルム）を獲得したのだ。

★キルマーク：１

★獲得形質：ライオン

　ところで、ここはパーティー会場だ。ここにいたのは、（シャークリスティナと、今は消化吸収されたレオンハルトの）ふたりだけではない。

　周囲の人間（エキストラ）たちは当然、混乱（パニック）に陥（おちい）った。

「たいへんだ（Ｄａｍｎ　ｉｔ）！　王太子殿下がお喰われになったぞ！」

　声の主が誰なのかはわからない。次の刹那（カット）には、そいつも喰われていたからだ。

　喰われる絶叫（シャウト）、怯える悲鳴（スクリーム）。ほんの半刻前まで小洒落（イカし）た音楽が響いていた場は、今や断末魔の演奏会（ＬＩＶＥ）と化した！

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