第65話吐口
危ない所だった。
もう少しでこのアルキネスが要らなくなる為、やっとこのベタベタと私にくっ付いてくる気持ち悪い男と別れると思っていた為思わずぞんざいに扱ってしまう。
そもそもアルキネス如きが今まで未来の王妃である私の身体を好きに出来たのである。
今まで好きに出来た分を金銭に変えて頂きたい位だ。
いや、私が王妃になったら今まで私の身体を好きにして来た分の金銭請求をするとしよう。
むしろアルキネスだけでは無く私の身体を弄んで来た男性陣達全員に請求してやる。
私の身体を好き勝手に性欲の吐口にしやがった代償を払わないとか言語道断である。
そしておいおい捕まえて投獄してやる。
年端もいかない女の子を捕まえ、自らの性欲の吐口にした犯罪者の屑どもが。
のうのうと暮らして何も無かったかの様に生きて行けると思うなよ。
そんな計画を立てながら私は笑顔の仮面を貼りつけてアルキネスの相手をするのであった。
◆
「殿下っ!クロード殿下ぁ〜っ!遅いっ!私、すっっっっっごぉーく待ってたんだよっ!?」
「おお、アイリーンであるか。我も今日この日を、そしてアイリーンに会える事をどれ程待ち遠しかった事か」
パーティーが始まってからどれほどの時間が経った事だろう。
未だ私に馴れ馴れしく絡んで来るアルキネスの相手をしながら待つのははっきり言って苦痛でしか無かった。
私の身体を性欲の吐口にした相手である。
一緒にいて楽しい筈がないし、そんな性犯罪者の親に会うなどもってのほかである。
にも関わらずアルキネスは事あるごとに両親へ紹介しようとして来るのでもうそろそろ我慢の限界であった為、今クロード殿下が来てくれるのは非常に助かった。
コレでやっと、この性犯罪者を切り離す事が出来る。
「もうっ、殿下ったらぁーっ!ねぇ、コレで私はやっと殿下の事を名前で呼べる様になるのですよねっ!」
「あぁ、そうだな。今日という日が終わればいくらでも呼べるんじゃ無いかな?誰も咎めるものも居ない場所に行けるであろう」
「もーっっっ!みんなの前でそんな事を言って!私だって恥ずかしいんだからねっ!」
あぁ、クロード殿下が今まで見た事無いくらいの表情で微笑んで来てくれる。
そしてクロード殿下は私の事を誰も咎める事のない場所にまで行かせてくれると言った。
それはまさにこの国の王妃の事であろう。
クロード殿下以外、誰も私を咎める事など出来ないし、させないというクロード殿下の想いが私に流れ込んでくる様である。
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いよいよですっ!
お待たせ致しましたっ!
いや、お待たせし過ぎたかもしれませんっ!
何がとは言いませんが、エックスデーでございますっ!
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