拝啓 ママ

すぐ郁夫

第1話

拝啓 ママ


いつも私を抱え重い体で、大変だよね。


私がお腹に来てからママはご飯をいっぱい食べなきゃいけなくなっちゃった。


いっぱい作るのも、食べるのも、お掃除するのも、出掛けるのもツライよね。


ごめんなさい。


パパは、部屋が掃除されてないと機嫌が悪かったり、夜ちょっと飲みに行っちゃって帰りが遅いかもしれない。


でもねママ、パパを怒らないで。


パパは、初めてパパになることが嬉しいんだよ。


私が産まれてくることが嬉しくて誰かに自慢したい、ただそれだけなんだ。


そして、女性のママを抱けない事がもどかしい。


パパがお休みの日は、ちょっとだけお化粧してお洒落して笑顔でパパを抱きしめてあげてね。


きっとパパも嬉しいはず。


私が生まれたらママは眠る時間も綺麗な髪のお手入れもする時間もなくなる。


パパにイライラしちゃうかもしれない。


覚悟してね、パパはパパ初心者、どうしていいかわからない、パパはなにもできないと思う。


もし、パパがたまに手伝ってくれることがあったら、ありがとう、て言ってから、優しく修正してあげてね。


これからパパは、ママと私の為、今以上にお仕事頑張らなきゃいけなくなっちゃうんだ。


でもね、ママ、パパはママと私の事が大好きだから安心して。


ママとパパの為に、早く喋れる、歩ける様になるから、それまで待っててね。


大好きなママへ……いつもありがとう









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拝啓 ママ すぐ郁夫 @ririunao

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