三枚のお札
更楽茄子
※ 混ぜ物注意
「もぅ修行ばかりで嫌じゃ!。たまには街に出たい!」
小僧さんがそう言うので、和尚さんは小僧さんに三枚のお札を持たせます。
「困ったことがあったら、この札に願いを込めて投げなさい」
そして小僧さんは山を下りて街を目指しましたが、途中で
「お札よ、ボクの代わりになっておくれ」
そう言って一枚目のお札を投げると、小僧さんそっくりな人影が現れましたが。
「こんなもの喰ろうてくれる!」
お札の小僧さんは一瞬で食い殺されてしまい、
「お札よ、
そう言って二枚目のお札を投げると、
同時刻、少し離れていた場所で、結婚してからというものイチャイチャして全く仕事をしない青年「
「こんなもので俺の愛が止められるものか!待っていておくれ
「こんな河、飲み干してくれる!」
途中でちゅるっと何か飲み込んだ気もしましたが、
そして
「お札よ、
そう言って三枚目のお札を投げると、
「こんな火の山、吹き消してくれる!」
いきなり泥の船ごと
そこへ
「あらあら
そう言うと
あまりの激痛にのたうち回る
だけど2人の顔はとても満足気で、絶叫が響き渡りながらもなぜか幸せそうでもありました。
そんな2人を天から見ていた
「このままイチャイチャさせてたら娘はいつか婿を殺してしまう」
そう考えた天帝は、2人を天の川の両岸に住まわせ、年に一度しか会わない様にと釘を刺すのでした。
三枚のお札を使い果たした小僧さんは、なんとかお寺まで逃げ帰りました。
お寺では和尚さんが囲炉裏で餅を焼いています。
小僧さんは和尚さんに助けを求め、これから真面目に修行に励むことを条件に壺に隠してもらいました。
やがて
和尚がはそんな
「その前にわしと術比べをしよう。山ほどに大きくなれるか」
和尚さんがそう言うと、
感心した顔をしながらもまだ納得しない和尚さんが、更に
「それでは豆程に小さくなれるか」
和尚さんがそう言うと、
すると和尚は、豆になった山姥を餅に挟んで食べてしまいました。
そして満腹になったのか、和尚さんは囲炉裏の前でうとうとと寝てしまいました。
「
壺からこっそり見ていた小僧さんは、
そして小僧さんは和尚さんの腹を割いて餅にくるまれていた豆(
そして代わりに和尚さんの腹に石を目いっぱい詰めて再び縫合します。
「─────おっとうっかり寝てしまったわい。
和尚さんは囲炉裏の火にあたり喉が渇いていたのか、ふらふらと井戸へと歩いていきます。
そして水を汲もうと身を乗り出したところ、お腹のあまりの重さに井戸の中へ転落してしまいます。
和尚さんの最期を見届けた小僧さんは、餅をはがし豆(
「
いくら声をかけても豆(
悲しみに暮れた小僧さんは、さよならと想いを込めて豆に口づけをします。
するとどうでしょう、豆は光に包まれたかと思うと、そこには美しい女性が立っていました。
「まさか
そして小僧さんと美しい女性となった
めでたしめでたし。
三枚のお札 更楽茄子 @sshrngr
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