粘着力の弱いかたつむり3

すぐ郁夫

第1話

粘着力の弱いかたつむりは一生懸命、茎を登っていました。


「どうして君は早く上に登れないの?」


と、かたつむり仲間達が言いました。


「ぼく、がんばるよ」


と、粘着力の弱いかたつむりは、言いました。


「早く登っておいでよ、待ってるよ」


と、かたつむり仲間達は言いました。


「ぼく、がんばるよ」


と、粘着力の弱いかたつむりは、言いました。


「まだ?」


と、かたつむり仲間達は言いました。


「ぼく、がんばるよ」


と、粘着力の弱いかたつむりは、言いました。


「いつになったらここまで来られるの?」


と、かたつむり仲間達は言いました。


「ぼく、がんばってるけど、粘着力が弱いから、いつまで経ってもそこまで登れないや」


と、粘着力の弱いかたつむりは、言いました。


「じゃあ僕たちはもっと上に登るから、もう行くね」


とかたつむり仲間達は言い登っていきました。


と、一匹だけ仲間を外れ降りてきたかたつむりが居ました。


「がんばらなくていいよ、youは粘着力が弱い事も気にしなくていいよ。

実は僕はかたつむりじゃないんだ。

かたつむりのふりをしたエスカルゴなんだよ。

こんな僕で良ければ一緒に空を見上げよう」


と、エスカルゴは、粘着力の弱いかたつむりに、言いました。


「welcomeだよ、ここから見上げる空も最高だよ」


と、粘着力の弱いかたつむりはエスカルゴに、言いました。

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