風が吹いている

冷たい風が頬を打つ

背中を丸くしても

顔を隠しても

冷たい風はぼくのことを

逃がさない


人びとが行き交うだけの街

ふらふらと当てもなく歩いている


人の流れに必死になって

抗ってみるけれど

結局は飲まれてしまう


自分だけは違うんだって

強がってはいるけど

なにも変わりはしない


同類 平凡 無力

そんな言葉がお似合い


公園のベンチで

ぼんやりと時を過ごす

そのまま

ぼんやりとして

身体中から

きれいな苔でも生えてきて

植物になってしまいたい


そしたら

どんな風が吹いても

耐えられるだろうから

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