第48話 老夫婦
おじいさん「また植林しておったのか....自分の年を考えなさいよばあさん、命張ってまですることではないだろうに」
おばあさん「あの山がああなったのは私個人の責任ではなくとも誰かが動かなければいけないんですよ」
おじいさん「そうはいってもだな、もう私たちは帝国の人間ではないのだぞ?」
おばあさん「ならば国民としてやるまでですよ、この年で損得勘定はやめましょう」
おじいさん「しかし、どれだけ命を削って頑張ったところでシャペロン工業地帯や帝国の......」
おばあさん「あんた、その話は後にしましょう。この子たちが困惑しています」
おじいさん「おおーっとすまぬ、君たちがばあさんを助けてくれた若者か、はじめまして私はこの近くで道場を開いてる守蔵
もりぞう
といいます。この度は妻がお世話になりました」
おじいさんは深々と頭を下げる
ナオキ「いえいえ、ところで道場ってなんの道場なんですか?」
守蔵「気になりますか?教えるより見せた方が早いでしょう、ささこちらへ」
守蔵はナオキを連れて病室を出て行ってしまった
「あの……?」
おばあさん「行ってやってください、道場と言っても門下生は一人もいませんのよ。だから久しぶりに興味を示してくれたあなた達にテンション上がってるだけなの」
「失礼ですが生活費はどのように?」
おばあさん「私の病院への手伝いの報酬とあの人の傭兵の収で細々と暮らしてるわ。あの人も道場で生計を立てたかったみたいだけど時代がね……それで生活のために傭兵になったの」
「そうなんですか……すいません、ありがとうございます」
おばあさん「お礼を言うのはこちらですよ、助けていただいてありがとうございました」
俺は会釈して病室をでてナオキたちを追いかけた
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