第39話 湊村の場所
送迎車を降りた俺たちはホテルの受付に向かう
「送迎車に一人5000ゴルドか 高いなーー」
ナオキ「何も知らずに乗ったがあの送迎車って結構高い車じゃないか?もっと安いやつ絶対あったろ」
「確かに妙にきれいで豪華な車内だったな……気づくべきだったか……」
ボートで2000、送迎車で5000おれはもう3000ゴルドしかない
ナオキ「これじゃあ明日からどうすんだよ……長老に頼むしかない……」
「とりあえずチェックインしよう」
俺とナオキはホテルのいチェックインを済まし部屋に入る
部屋は決して豪華ではないがベッドと風呂、トイレがあり冷蔵庫とテレビまであった
「おおおおおおーーー!!!テレビあるじゃないか!!」
ナオキ「なんだこれ?テレビ?」
「まあ見てろって」
俺はテレビのスイッチを押すとテレビがついた ちょうどニュースの時間のようだ
ナオキ「おおおおーー!?すげーな!ラジオみたいに声が聞こえるだけでなく映像まで見れるのか!」
ナオキは興奮気味で喜んでいた
だが俺はちょうど出されたテレビのニュース一覧表の番組内容をみて驚いた
(……湊村の水没のニュースが無い!?水没した日の夜にはもう帝都について入院して、今日の朝に事情聴取と長老と食事、昼にはボートで巡って国営特務人事局に申し込み書出した……ようするにまだ一日しか経っていないはずだ……)
「なあ!なんで湊村のことが報道されないんだ?あんな大規模な事件だったのに……」
ナオキ「……湊村は帝都からかなり距離があるんだ、俺も人事局で地図見るまでは良く知らなかったがここ帝都のはるか西に湊村有るうえ、いくつか山も挟んでるから地図上の距離よりもかなり遠いんだとさ。」
「じゃあ交易とかはほとんどしてなかったのか?」
ナオキ「取引するものは無かったからな……近くの山で狩りをして売りに行くか水源の件で隣国がひそかに交渉しに来るくらいだ。だから湊村の件は帝国よりも隣国のファスタリア共和国の連中の方が詳しいだろう」
「なら今頃ファスタリアの方は大騒ぎになっているのかもしれないな」
ナオキ「多分な、ファスタリアで話題になれば帝国でも報道されるんだろ……」
(被害の規模などを知りたかったんだがな……なかなか発展している国かと思ったけど辺境の地はさすがに調査に時間はかかるか)
ナオキ「それで?どうするんだ?明日からの予定を決めようぜ」
ナオキは人事局でもらった地図をベッドの上に広げる
この世界は大きな川を挟んで左が魔界と右が人間界となっているようだ。
そして地図には湊村の位置が赤丸で示してあった
(思った以上に西の果てにあったんだな……ん?よくみたら旧魔族領に一部かかってるじゃないか……いやいやもういいんだ、今はファデス地区に行くことを考えないと)
ナオキ「えーっと??ファデス地区はどこだー?」
俺とナオキはファデス地区を探すが……なかなか見当たらない
「帝都から一番近い訓練所のはずだろ??どこだ??」
5分ほど探してようやくファデスという単語を見つけた 帝都の北西(湊村は南西方面)に随分と小さい文字で書かれていた。
「かなりの郊外だな……近いといっても距離あるし、そもそも傭兵の訓練所がほとんど無いんじゃないか?」
ナオキ「まあ、制度自体は比較的新しいしな、帝都じゃ作るスペース無いんだろう」
(それもあるが、あまり普通じゃない人間が来ることも踏まえて作られてるな)
ナオキ「見ろよ!鉄道がファデス地区の南まで通じてるぞ」
「ファデス地区の南はシャペロン工業地帯か、ファデス地区は労働者の街なのかもしれないな」
ナオキ「じゃあそこに行って短期間で働いてみるのはどうだ?」
「うーん…短期で働けるかは分からんけど、とりあえずそこにまずは行ってみようか」
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