第20話 黒いカプセル
(……!!!なんだこの水は!これは確かに川から来た水だよな!?)
ナオキ「おいおい……ダムって何やる施設だっけ?」
「どうみてもダムのせいじゃない!ダムが急にできたことも含めてなにかがおかしい!」
ナオキ「とりあえず水を調べてみるか、頼んだぜ」
「ああ……」
俺はそういうとダムの上に立ち、汚水に力を入れ始めた……すると
「これは……生き物だな……それも湖の中に所狭しとうごめいてやがる」
ナオキ「まーた細菌か?川の毒はそいつが原因か?」
「細菌だと思うが、とてつもない数でかなりの濃度だ……毒に関してまだ何とも言えないな。何かを流しているように感じはするのだが、これが毒なのかは正直分からない。」
ナオキ「お前の能力で浄化は無理なのか?」
「あれは俺の力でなく微生物の力さ、でも今回は環境が違うから厳しいな…こんなに黒くちゃ太陽光が水の内部に届かんだろう」
ナオキ「じゃあどうするんだよ!俺は明らかにこれが魚のいない原因だと思うぞ!」
「分かってる、他も見てから一度村に帰って報告しよう。そして下流の方に浄化施設を作って対処してみよう。きっとなんとかできるはずさ!」
ナオキ「よっし!じゃあさっあっと行くか!」
???「それはこまるねえ?」
「!?」
俺とナオキはすぐに声の主を探す
???「霊気を感じて見に来てみれば客人とはなー やれやれ仕事が増える……」
声はダムの黒い水全体から響いて聞こえるようだ
ナオキ「誰だ!?どこにいるんだ?全体から聞こえるぞ」
俺は水に対して力を込めて索敵しはじめる
すると
(さっきまでは微生物しかいなかったの水中に何かいる!?)
「ナオキ!下だ 水の中に何かいる!」
ナオキ「こんな汚水にか!?」
ナオキがそう叫んだ瞬間、カプセルのようなものが水の中から姿を現した
それは人一人が入れる大きさで真っ黒なものだった
(間違いない、人間がいる!)
ナオキは剣を抜いて構える 俺も念のため木の棒を構えて力を込める
黒いカプセルは俺たちと同じ高さまで上昇するとそこで止まった
警戒していた俺とナオキだが次の瞬間……!
カプセルから黒い水が凄まじい勢いで飛び出してきた
俺はとっさに地面に伏せたが途中で水の軌道が変わりもろに食らう
ナオキはぎりぎりでかわし、軌道が変わるとすぐに刀に力を込めて斬撃を放つ
ナオキ「はっ!!」
斬撃は衝撃波となって水を蹴散らし、カプセルに命中
すると放水は止まった
「助かった……くっそ、汚水を被っちまった」
(粘膜から病原菌が感染するのはやばいな、川の毒の原因がこれならもっと最悪だ)
俺は急いで汚れた服を脱ぎ、体にまとわりつく微生物の除去を行う だが服の汚れは無理そうだ
ナオキ「大丈夫か!」
「ああ、顔は守ったし、森に入るために肌の露出の無い服を選んだからな だがちょっとかかる」
ナオキ「そうか、しばらく隠れてろ いつまた放水するのか分からないからな」
「ああ、そうさせてもらう」
俺がそうしてダムの施設に身を隠すそうと歩きだすと
???「おいおい……どこ行こうとしてんだあ? ったくいてえじゃねーか」
その声とともにカプセルの表面からにゅるにゅると人がゆっくり出てきた
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