第18話 謎のダム


さて森に入ってしばらく経つものの特に何も遭遇することは無かった。しかし、確かに森には異変があるようだった。畑の作物のように葉が変色している木が登るにつれて増えていき、そしてついに小動物すらも見かけることが無くなった。


ナオキ「なんだ?卵もあるのに親鳥がいないし、巣がだいぶ荒れてるな」


「卵が放置されてるのか? おい!あれを見ろ巣の中に雛がいるぞ!!」


ナオキ「本当だ!………だが死んでる……?」


「……何なんだ一体……遠くからみたら普通の森なのに……」


ナオキ「お前の力で何とかできないのかよ」


「微細なコントロールができるようになったが直すのは厳しいな、だが調べることはできるかも」


俺は集中して死んだひな鳥や森の木々を調べてみる 


「……これは ウイルス……か……?」


ナオキ「ウイルス?なんだそれは」


「細菌とは違うんだが、感染すると宿主のDNAに自分のDNAを入れて感染した細胞を増やすんだ」


ナオキ「そのひな鳥はなんで死んだんだ?」


「この鳥は餓死だろう 感染した形跡はあるが感染した細胞が少ない」


ナオキ「お、おおう……そうかそれで木の方はどうなんだ?」


「根を中心に内部はすでに感染しているな。葉にその影響が顕著に出ている」


ナオキ「変色か、たしかに普通じゃないなこれは。それでどうする?」


「ひとまず森の中心に行ってみよう。森の中心にはもっとひどいかもしれん ひとまず空気中にはウイルスがないのが救いだな」


ナオキ「なら急ごうぜ!」


俺とナオキは森を進み、水音が大きくなってきたため一度川に戻った


ナオキ「おお……なんだこれは……」


(……何だも何もダムじゃないか、こんなの俺がいた森には無かったぞ、なら木咲の森は俺のいた森ではないのか……)


ナオキと違う意味で驚いていた俺だが、ナオキの驚きようからナオキはそもそもダムを知らないことを察した


というかダムほどの設備があればさすがに村の人間も知っていそうなものだが


ナオキ「なんだこの巨大な壁のような建物は……なんでこんなものがこの森に……?」


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