雑記

夜路てるき

大打撃

それは唐突で衝撃的だった。

誰もが諦めていると思っていた。

少なくとも私は諦めていたのだ。

悪い手ではなかった。悪い進行ではなかった。悪いのは運だったのだと今も思っている。

しかし、それは運による災害ではなかった。

彼は初めから、あるいは途中から雌伏してその時を待っていた。

彼が出した手は悲鳴をあげるに十分な打撃だった。

私だけではない。彼も、彼も、被害を受け、悲鳴をあげた。

けれど、親であった私は人一倍被害を受けたのだ。

彼が発したそのサインを私は忘れることはないだろう。

「一局目で国士無双食らって16000点持ってかれた男の話」より。

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