第29話 天才
俺とヨクは教室に戻り席に座った。
マイと席が隣でドキドキしている。
けれど授業ではなくテスト…別にペアトークとかはない。
学力テスト、やっぱりなくていいよー。
よく英語とかで横の人とチェックしあうみたいなやつしたいなー。
俺が学力テストがあったらとか言ってなかったらなかったのか?
ここは学力テストで女子にいいところ見せていこう!!
そう思っているとマイが話しかけてきた。
「アキ君、頭っていいほうなの?」
そう聞かれたとき俺は氷のように固まってしまった。
図書館で勉強しようと思ってたのに結局勉強してないや……
これだとまずいなー……カンニングの手を使うか?
ミユに毎回聞いていれば満点とか余裕じゃないのか?
よーし!!その手で行こう!
そう思ったときミユが、
<あなたに教えませんので>
と言われた。
あ、あれ?いつもより優しくないなー。
カンニングはするなってことか、自力でできるか?
俺が高校のときも頭悪くて、ゲーム脳だったし、
期末のテストは合計点は200点いくか、いかないかって感じだったんだよ?
そんな俺がテストでいいところ見せれるわけがない。
何かないかな。
俺はマイが声をかけていることも気づかずに、ずっと考えていたが、
その答えが見つかることはなかった。
とうとう学力テストが始まってしまうことに……
「まーず、さーいしょーはまほーうてーすとーでーす」
あ!!そうか!別に国語とか数学じゃないのか!
それこそ俺はやばいかもしれない。
頭が悪かったとしても多少は分かるからな…
困ったなー。
俺は答案用紙を開いた。
問題は9問しかなかったけれど、その問題が知らないことだらけだった。
(問1)、魔法の仕組みを50字以内でかけ。
(問2)、火の魔法を使うことを何というか。
(問3)、5800年前、魔法を見つけ出した科学者のことを何というか。
(問4)、魔法を別名で何というか。
(問5)、問4にあった別名は、何年前に言われるようになったか。
(問6)、今現在、見つかっている魔法の種類は何種類か。
(問7)、今現在、魔法を使っている世界の男女の比は、何対何。
(問8)、魔法はどういう存在なのか、自分の意見を100字以上200字以内で答えよ。
(問9)、魔法は必要かどうかをはいかいいえで答えよ。
いやいや、問8と9はいいとして…
なんだよ!何?魔法の仕組み?それに火の魔法を使うことをなんというか?
無理無理!!全く分からない!たった9問なのに2問しか分かんないぞ!?
あとは適当に書いておくしかない……
そしてテストの終了時間の30分も速く終わってしまった。
あー、よくわからないから考える気も起きないな。
マイの顔でも見ておこうかな。
俺がマイのほうを見てみると、マイも俺のほうを見ていた。
「うわっ……ご、ごめんマイ」
俺は顔を赤くして反対側を向いた。
マイも同じようにごめんと言って顔を赤くさせながら反対側を向いた。
マイの頭の中
アキ君に嫌われちゃったかな……
速く問題解いちゃったからアキ君の顔でも見ておこうと思ってみてたのに。
急にアキ君がこっち向いてきちゃったから、見ていたのばれちゃったかもしれない……
俺の頭の中
お、俺、嫌われたかな……気持ち悪いとは思われたかも。
あとで聞かれたときにどうにしよう。
まさかこっちを見ているとは思わなかったな、あー恥ずかしい。
俺とマイは一緒にため息をついた。
そしてテスト終了のチャイムが鳴り、1つ目のテストが終わった。
そのあともテストが3つあり、1つ目は魔法名を書く。2つ目は歴史の問題。
3つ目は言葉の成り立ち?みたいな問題と、どんどん進めていった。
けれど、全部問題の答えは分からず、テスト終了して少し長めの休憩時間。
「終わったー!マジでわかんないよ…まだご飯食べてないし食べるか」
するとマイが俺に近づいてきて…
「え、えーっと、ご飯、一緒に食べますか?いや!別に一緒に食べたいわけじゃなくて!!えっと!!」
あ、こういうところが可愛い…
じゃなくて、さっきの嫌われたかもしれないあの俺の行動をどうにかなくそうとできる機会ができた!
どうにか挽回しないといけないな……
「お、おう、分かったよ、行こうぜ」
「はい!」
俺とマイは食堂に向かった。
食堂もあるんだな…
まだこの学校に何がるか知らないから、あとで確認しておくか。
マップみたいなものが学校内にまったくないから困る……
そして食堂でご飯を選んで席に座った。
「マイ?あ、あのさ、なんで俺と一緒に?」
なんでマイが一緒にご飯を食べようなんて言ってきたんだ?
俺が言うのは普通のはずなのに、でも一緒にご飯を食べれるなら…
「あ、あの、すき、すき焼きが食べたくて……」
え?すき焼き?じゃあ俺と一緒に食べなくても良くないか?
それに食堂にすき焼きなんてないけどな。
何か隠しているのか?それとも何か企んで?
いやいや、マイがそんなことするわけがないよ。
「まあ、食べようぜ?」
俺たちはご飯を食べている間どっちも何もしゃべらなかった。
そしてついに食べ終わってしまった……
やばい、何も話せてない!!
どうしよう、どうしよう!えー!!
これじゃあモヤモヤしたまんま帰ることになる。
それじゃあ……
するとマイが、
「えっと、ごめんなさい、あと一緒に食べて、う、嬉しかった、です…で、では!!」
そう言って教室に向かって走って行った。
え?なんでマイが謝ってるんだ?
それに何か恥ずかしそうな顔が可愛い……
あと嬉しかったって言ってくれたよね!!嬉しい!!
すると放送が流れてきた。
「いーまかーら、がーくりょーくてーすとをーかえーしていーきまーすのーで、きょうしーつにもーどーってくーださーい!」
もうテストが返ってくるのか!?
先生は採点するのはチート級に速いのかな?
そうじゃないとありえないだろ!
まあ、テストの点は気になっているから早くいくか。
俺は教室に走って向かった。
教室に入ってみると、クラスメイトはざわついている。
「やばいかもー」、「勉強してないから不安……」と、みんな不安がっていた。
そしてみんなの手元にテストが返ってきた。
俺は神に願って、すべての答案用紙をめくった。
1つ目、満点!2つ目、満点!3つ目、満点!
あ、あれ?俺こんなこと書いたっけ?全部満点だし……
するとクラスメイト全員が、俺のテストを見て倒れて行った。
そしてまた俺が天才と学校中に広まっていった。
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