第27話 実力テスト

 入学式が終わって一安心。

 これから俺は魔法高等高校って言う学校に新しく入った新入生。

 俺はこの前まで大人のままだったが、こっそりトイレでコマンドを使って自分を若返らせた。

 そして顔まで変えてイケメンにした俺。今回しかこのコマンドは使わないけど……

 今から教室に入る。一応同級生?

 コマンドで若返らせているだけで精神年齢は転生してからも合わせて……32かな?

 ま、まあ、俺は気にしないけどな。

 でも、ここに入ってきたのはあくまで俺の力を強くするためと、テンセイシャについての情報収集。

 これだけは忘れちゃいけないことだ。気を付けておこう……


 そして俺は教室前まで来た。


「うわー久しぶりだなー!」


 俺が高校生だったころの教室の扉に似てる!

 けど、俺は高校生のときはいい思い出なんてないな。


 俺が高校生の時。

 教室に入ったらすぐにクラスメイトから。

「おいおい、あの陰キャまた来たぞ?」とか、「えー!あの髪の毛どうしたの!?髪洗ってないのかな?

 気持ち悪ー」と、言われていた。

 俺が陰キャだったのはゲームの話がみんな全然できないからだ。

 ゲームの話ができてもすぐに「オタクだろ」とかを言われて友達じゃあなくなる。

 髪の毛は自分も悪いかもしれないけど、別に洗ってないわけではなかった。

 ただ、お風呂から上がってから、ドライヤーもせずゲームを始めて、夜中の3時に寝て遅刻しそうですぐ来たら髪がぼっさぼさ。だから洗ってないわけではない。

 クラスメイトにさんざん言われてきたことを俺は思い出してしまった。

 あのことがトラウマでもう……


 そう思っていたときに、後ろから声がした。


「あ、アキ君!ど、どうしたの?扉の前でぼーっとして」


 マイだった。

 俺のことは、たぶんかっこいいから接してくれているんだろう。

 あのテンセイシャを倒したときに顔を戻して真実を言うか。


「いや、何でもない、ただトラウマがあってさ……」


 そういうと、マイは明るく答えてくれた。


「そんなトラウマなってぶっ飛ばしちゃえ!前に進まないと何も変わらないよ?」


 この言葉で気づいた。マイの言う通りだ。

 俺は毎回同じところで足踏みをしている。

 過去の出来事をずっと重りのように引きずってばかりだ。

 そうやっているから何にも変わってないのかもしれない。

 今はもう精神年齢は大人だぞ?2回目なんだからこんなの全然へっちゃらだ!

 マイのおかげで勇気が出たな……あとでお礼を言っておこう。


 俺は扉を開けようとした。

 でも、だんだん震えが出てき始めて途中で止まっていた。

 そして俺は勇気を振り絞って扉を開けた。

 するとそこには……みんなの笑顔があった。

 そのクラスメイトは、


「おはようさん!!俺の名前はライだぞ!お前さ!確か確か校長の推薦だろ!?力見せてくれよ!!」


「はい!!楽しみです!!私はナナです!よろしくお願いします!えっと確かアキさんですよね!?」


「はいはーい!次は私ー!!」


 みんなが明るく、俺にもちゃんと接してくれた。

 みんな名前を言ってくれたが覚えられないけど……

 でもこれは俺の顔が…と思ってまた鏡を見た。そこには、

 前の俺の顔だった。髪はぼっさぼさ、陰キャの顔のはずだった。


 あれ?俺の顔が……いつの間に……。

 でもみんなこんな俺でも接してくれている。

 俺のトラウマが何もなかったようにしてくれる。嬉しい。

 あと、あのテンセイシャにばれそうなのは心配だが、ここは1層だ。

 ばれるのはそこまでないだろう。ならもう1人として再スタートしなくてもよさそうだな。

 高校から再スタートってことで、高校攻略としますか!!

 そのときマイに、言われた。


「あ、アキ君、か、顔と髪色が変わってる!?」


 あ……マイは俺の顔が2つあるってことになってるよな。

 俺をかっこいいと思ってきたんだよねー、あははは……


「アキ君!そっちのほうがかっこいいですよ!!あーーー!私、やばいこと言いましたよね!!」


 あれ?思っていた反応と違うな……そ、それにちょっと、て、照れるな……

 ま、まあこれでいいなら別にいいかな。

 それにしても本当にあの校長馬鹿か?推薦のことも言ってるし、

 強いってことも言っている。あいつ最悪な校長だな……


 頭の中で校長がてへぺろ、としている顔が浮かんだ。


「うぇーー気持ち悪、あんな顔見たくねえ」


 じいちゃんがあんな顔をする顔が浮かんでくるのがおかしい。

 あーーー気持ち悪!!


 俺とマイは席に座った。

 俺は担任の先生がどんな感じなのかを考えていた。


 どんな教師だろう!美人なお姉さんみたいな感じかな?

 それともかっこよくてむっちゃ強い、フレッシュ系の教師かな?

 いやいや、なんか熱くなろうぜ!みたいながつがつ系もいいな!


 そう考えていると扉が開いて誰かが入ってきた。

 俺はドキドキしながら見てみると、俺は気絶しそうになった。


「そーれでーは、わーたしーがたーんにーんでーす、よーろしーくねー!」


 英語の先生しているおじいちゃんみたいな言い方をしている校長先生だった。


 なんでよりによってあいつなんだよ!

 他に教師はいないのか!?じゃないとクラスの担任が校長になるわけがない!!


 俺はがっかりしている中、そのほかのクラスメイトはものすごく喜んでいた。


「やったー!校長が担任なんて夢みたいだー!」


「そうです!!もうここに受かれてよかったです!!」


 みんな頭逝ってんじゃねえの!?

 まだ精神年齢が高校生だったら即不登校だわ!!

 それにしても本当に何者なんだあいつは……


 そう思っていると校長が言った。


「そーれでーは、じーつりょーくテストーをしーますよー!」


 実力テストか……

 どう力を使おうかな。まあ頑張ってみますか!

 そして俺はテストをするときどうするのかを考え始めた。

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