第二章 高校攻略

第24話 再スタート

 俺のパーティーの仲間は、全員死んでしまった。けれどユリのおかげで俺は生きている。ユリの魔法でワープされて、1層目の野原にいる。

 それにしてもあのテンセイシャがまだよくわかっていない……情報集めをしたほうがよさそうだ。誰かに聞くか?いや……やっぱりもう誰かを頼らない。もしまたみんなで攻略することになって、あのテンセイシャに殺されたりでもしたら嫌だ……そんなこと、絶対繰り返さない。

 俺は1人で勇者としてテンセイシャを倒す。


 俺はそう決意した。


 まずは、俺がテンセイシャにばれないように姿を変えるか…

 コマンドならできるのか?姿を変えれたらイケメンなんて夢じゃない!!

 よーし!それなら!


「システムコマンド、姿をイケメンに!」


 そう言うと顔がムズムズと……

 すると…視界、聴力などが一瞬だけ無くなってしまった。


 うわ!!な、なんだ!?

 急に何も聞こえないし見えなかった!!

 怖い怖い……こんなことするのは今回だけにしておこう……

 何か起きて何も見えなくて聞こえないことがずっと続くことになったりでもしたら全体嫌だからな。

 それにしても俺の顔はどうなったんだ?鏡でも出してみるか…


「オブジェクトコマンド、鏡1つ」


 すると上から鏡が落ちてきた。


 いやいや!さすがに鏡を上から落としちゃダメだろ!

 もしも変なところから落ちてきて割れたりでもしたら危なくねえか?

 ま、まあ、俺の顔がどうなっているか……


 すぐに鏡で自分の顔を見た、するとそこには…


「自分じゃないだろ!こんなのおかしすぎる!顔の形、髪の色まで変わってる!?」


 もう自分が自分じゃなくなっている。

 こんなことすると自分を見失いそうで怖いな…

 自分の顔をいじるのは今回だけだ……

 あとは、レベルを聞かれたときに高すぎるといけないから1にするか…

 今はレベルはいくつなんだ?


「おーい、あの文字出すやつ!俺のレベルはいくつだ?」


 俺がそう聞くと頭の中で文字が浮かんできた。


<今は187レベルです、あとミユと呼んだら来ます>


 ミユ!名前があれば呼びやすい!

 これからはそう呼ばせてもらうとするか…

 それじゃあレベルを下げると行きますか!


「システムコマンド、186レベルダウン」


<今のレベルが1レベルになりました>


 これでよし。

 あのテンセイシャもわからないと思うな…

 それにこのコマンドを使いすぎたら今度こそあいつに殺されてしまう。

 絶対あんなこと繰り返さない、それにテンセイシャを倒すことが俺の目標。

 頑張ろう……まずは情報を集めよう。


 俺はまず、村に向かった。


 村に行ったのはいいけど誰かに聞くこともできないし…

 どうしようかなー。


 そう思っているときに黒いスーツを着た人が声をかけてきた。


「すーいませーん!あなーたはこーうこーうせいでーすか?」


 言葉を伸ばしすぎだろ……

 それに高校生?なんで…俺は大人のはずなのに…

 まさか!


 俺は自分の体を見てみた。


 えーー!体つきが変わっていることに気づかなかった!

 足が軽い!俺は高校生のイケメンになったってことか!?

 で、でも顔だけをコマンドで変えたはず…まあそんなこと気にしなくていいか!

 俺は高校生ってことにしよう!


「はい、そうですが…あなたは?」


「そーでーすねー、まほーう高校のこーうちょーうでーす!」


 魔法高校!?え!お、俺の夢!

 そんな高校がこの世界にあるなんて!いいなー!


「それで?魔法高校の校長さんが俺に何の用だ?」


 するとその校長は生徒手帳のようなものを俺に見せてきた。

 そして俺に言った。


「あーなた、すいせーんではーいりませーんか?」


 推薦か…この世界にもそんなことがあったのか。

 それじゃあ受験もあるのかな……高校生みたいになったんだ、

 せっかくならここから始めてテンセイシャにばれずに力をつけることができるかも…

 それならテンセイシャの強さを上回るようになるのかもしれない。

 強くなれば失う人がいなくなる。

 ここから再スタートか、コンティニューだな。


「わかりました、あなたの魔法学校に入ります、ですがなぜ俺を…」


 俺は別に魔力を丸出ししているわけでもなく、

 俺の力をこの村で出したことがないはずなのに……

 出したことないよな?あれ?どうだったっけ。


「あーの、むーらにきたーときがーありまーすよーね?そのーときに、ポーションをだーしてまーしたよーね?」


 あの転生してすぐの時か…

 そうえば、紳士みたいな黒スーツがいたな!

 見てたのかー、少々めんどくさいことになりそうだ……


「あの、校長さん?僕の能力が強いと気づいているんですよね、そのことを黙っていてください、

 言うとしても少し強いくらいで……」


「わーかりまーした!あーなたーを生徒とーしてー受けー入れまーす!」


 この校長はどうにかならないのか?

 言葉を伸ばしまくる校長の学校ってことが心配だなー。


 俺は校長に手続きをしてもらった。

 生徒手帳を作り、俺の能力の記入、他にもいろいろとした。

 そうして俺は魔法高校の生徒となり魔法高校攻略で力をつける本気攻略の道が、

 再スタートすることになった!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る