第263話加入完了1
先生との初コラボの翌日――
「宮内匡!」
「ダガー!」
「チュリリ!」
「「3人揃ってライブオン五期生!!」」
私が見守るスマホ画面の中には、とうとうライブオン五期生が勢揃いしていた。
ああいや、正確に言えばチュリリ先生のデビュー配信の最後にも揃っていたか。でもあの時は先生がサプライズというかドッキリをくらっていた感じだったので、全員の意志の下のコラボ配信はこれが初と言うことだ。
「ちょっと匡さん! なんで最後一緒に言わないのよ! 言うって約束だったでしょ!」
「ぇ……だって宮内は五期生である前にアンチライブオンであるし……」
「途中まで協力してくれただけでも感謝しようぜ。むしろ俺は数分粘っただけでこの挨拶に全協力してくれた先生にビックリしたよ」
「はぁ!? 貴方がやるって言ったんでしょうが!」
「いや先生嫌がるかなーとか思ってたからさ。でも最終的には協力してくれるあたりやっぱ身内には激甘だよな」
「激甘であるなー」
「身内でも激甘でもないわよ! あーもう急に恥ずかしくなってきた! やっぱり慣れ合いなんてするもんじゃないわね、ふんっ!」
一体この3人が集まるとどんな化学反応が起きるのかなーと気になり私も見学しているのだが――
「なぁなぁそんな拗ねんなよー。そもそも本当は真っ先に3人でコラボする予定だったのに、先生恥ずかしがるから今日まで遅れちゃったんだぜ?」
「貴方たちが私のデビュー配信で変なことするから恥ずかしくなったんでしょうが!」
「その日の夜はお祝いされて泣いて喜んでたくせに」
「あ゛あ゛あ゛!! 匡さんいらないこと言わない!!」
化学反応どころか……完全に仲良し3人組って感じだな。
コメント
:デビューおめでとー!
:日常系アニメかな?
:年下2人に先生1人とか黄金比かよ
:先生は身内には激甘、メモメモ
:非日常キャラ達の日常は日常となりえるのか(数年前のラノベタイトル風)
「えーてなわけで! 今日は先生宅で出前で取った寿司を食べながら適当に駄弁っていこうと思うぜー」
「先生、これ醤油である」
「あっ、ありがとう」
「先生、ガリ食べるか?」
「ぇ、ええ、貰うわね」
「小皿に取るから少し待っててな」
「あ、あのね2人共? 先生そのくらい自分でできるかなーって……」
「なに言ってんだお前、いつもはなんでも俺らにやってってお願いしてくるだろ」
「今更先生ぶるのはやめるのである」
「ああああーーもう!! だからなんでいらないことばっかり言うの! 少しはお口チャックしなさい!」
「なぁ先生」
「な、なにダガーさん?」
「んーーーーーー……ばaaぁぁああああ」
「あーもう! この子はもう! あああああ!!」
「説明すると、今ダガーちゃんが口をんーっってぎゅっと閉じた後、片方の端からチャックが開くみたいにゆっくり開けてばーってやったのである」
は? なんだそれ? 私の目の前でやれよ! 現地に突撃するぞ!
コメント
:先生が世話焼かれてる側、解釈一致だ
:なんだこれ……いぃ……なんか分かんないけどいぃ……これがてぇてぇか……
:ダガーちゃんの顔でそんなことされたら心臓止まるわ
:同期の前では当たり前のようにフード外してるのいい
:あれ? 先生人嫌いなのにダガーちゃんのかわいさに悶絶してんの?
「はっ!? な、なに言ってるのよ、こんなガキ別にかわいくなんて……」
「そうだそうだ、俺はかっこいいからそんなことありえんって」
「ダガーさん……まぁそういうことでいっか」
「先生、あーんである」
「ん? あぐっ、うん。おいしいわね」
「先生、俺もあーん」
「……あぐっ」
「ほら先生、お茶である、あーん」
「あーん」
「あーん」
「あーん」
「あーん」
「……貴方たちふざけてるでしょ」
「「バレた」」
「もう……」
コメント
:なんか草
:空気がゆるいなー
:あんあん言い過ぎて喘ぎ声みたいになってるんよ
:先生普通にあーん受け入れるんすね
:妄想が捗る
……少し驚いた。どうやらこの3人の仲の良さは私の想像以上だったようだ。
どうしてそう思ったのかというと、あまりに自然なのだ。
やり取り全てにいい意味で力が入っていない。全員がそれを当然として受け入れているのである。
匡ちゃんとダガーちゃんはアンチや厨二を忘れているんじゃないかと思うくらいリラックスしており、そんな2人にツッコミを入れる先生もどこか楽しそうというか嬉しそうというか……。
まぁ一言で纏めると、先生宅の壁になって永遠に眺めていたいということである。
【あとがき】
近々淡雪(シュワ)と晴のマシュマロ返答を閑話でやりたいと思っているので、もしよろしければ近況ノートの『マシュマロ募集』の方からご協力いただけますと幸いです。どんなマシュマロでもお気軽にどうぞ!(淡雪と晴は別々の予定です、前にやったましろのマシュマロ返答と同じような感じですね)。
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