第262話愛の授業6
「あれね、先生分かったわ。やはり皆さんには人以外に対して性的欲求を感じる能力が無いのね。いきなり問題なんて解けるわけないわよね。ごめんね、先生皆さんの愚かさを甘く見てた……」
「お前いつかストゼロ海に沈めてやるからな」
「そこで、今から先生がおススメする性的興奮を呼び起こす映像を見てもらおうと思います!」
「エッチな授業始まる?」
「始まります」
「札束に沈めてやるからな」
「シュワちゃん落ち着いて! せめて自分以外が数秒前に話した内容くらいは覚えてて! 脳内情報が性的興奮を呼び起こす映像だけになっちゃってるよ! 先生のことだからどうせろくな映像じゃないって!」
「どんな映像かな? 男女比1対10000000000の世界とかの映像かな?」
「極端すぎない!?」
「いや男はいらんな。私対10000000000の世界でいいや」
「シュワちゃんは世界でも敵に回したの……?」
「ねぇシュワちゃん! 性的興奮ってなに?」
「教えてあげよっか?」
「うん!」
「よーし光ちゃんの為にパパ頑張っちゃうぞー!」
「だめだこの赤ちゃん、もう完全に性欲に支配されてる……」
「それ多分赤ちゃんじゃないわよ……」
先生がツッコミを入れながらも画面を操作し、動画再生の準備が完了した。
そして動画が再生される。
「これは先生のデスクトップPCね」
画面に表示されているのは先生の物らしいが何の変哲もないデスクトップPC。
そこに手袋を付けた手が伸びてきて、光学ドライブの近くにあるボタンを押す。
ウィーン――
光学ドライブが出てくる。それに正体不明のディスクをセットする。
ウィーン――
再び同じボタンを押すと、光学ドライブがPCに収まっていく。
このディスクに秘密があるのかなと思ったが、その手はなぜかPCがディスクの読み込みを開始する前に再び光学ドライブのボタンを押した。
ウィーン。
出てくる。ボタンを押す。
ウィーン。
収まる。それを何度も繰り返す。
ウィーン(出して)。
ウィーン(入れて)。
ウィーン(出して)。
ウィーン(入れて)。
ウィーン(出して)。
ウィーン(入れて)。
これを数分も繰り返し、そしてやっと出すのをやめてディスクを読み込ませたかと思うと、カメラがモニターに向けられ、そこに表示されたのは音楽再生の画面。どうやらあのディスクは曲が入ったCDのようだ。
でも入っている曲は一曲だけのようだった。その曲名は『誕生』。
そしてその曲が再生されることもなく動画は終わった。
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「どう? エッチ過ぎると思わない?」
「「「え?」」」
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「どうしたの?」
「ええっと、今の映像なに?」
「なにって光さん、PCと光学ドライブが交尾して光学ドライブがCDを中出しし、それをPCが受精して子を孕んでいるエロ動画に決まってるじゃない」
????????
「やっぱりこの動画やばいよねー。先生これもし今配信じゃ無かったら今頃ビショビショだから」
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「ちなみにこのプレイやりすぎて先生のPC最近光学ドライブがぶっ壊れたみたいで普通に困ってるの。ガバマンドライブになっちゃったのね。でもまぁそれはそれで興奮するんだけどねー」
――――――――
「あの……黙って本当にどうしちゃったの?」
「参りました」
「はい?」
気がつけば私はこれ以上ないくらいはっきりと敗北を認めていた。
「先生、光今から土下座するね」
「は? あれ?」
「待っててね先生! シオンママもいつか先生を完璧に受け止めてあげられる人になるからね!」
「ぇぇ……そもそもこれは勝負の為じゃなくて教育用の映像だったんだけど……なんか勝ったみたいだけど思ったほど嬉しくない……」
コメント
:ツッコミ枠とか言ってすんませんした
:なんでか闇の悪魔登場演出が頭に流れたわ
:チュリリ先生に勝つ方法、出して
:わ、わかんないっピ
:うん、勝てる気がしない
「あ、もう終わりの時間……はっ、ここまでやってもこの体たらくとは、やっぱりライブオンもこの程度なのね。淡雪さんも全然理解できないみたいだし、少しでも期待した自分が恥ずかしいわ」
「そうだね、理解はできない、もうそこまでいくとストゼロフェチなんてかわいいもんよ――でも私は認めるよ」
「……認める?」
「もうめっちゃぶっ飛んでて個性的じゃん! それに実際に喋って私も確信した、先生は悪人じゃない。だからさ、認めるってのはーえーっと、そう! ライブオンへようこそってことだぞー!」
「…………」
「シュワちゃんの言う通りかもね。色々ツッコミ入れるけど、やっぱりライブオンはこうでないとってシオンママも思うよ!」
「人は互いに違うからこそ成長できるのさ! 光も歓迎するよ!」
コメント
:うんうん!
:おもろい人なんてなんぼおってもいいですからね!
:意外とかわいいところあるのもグッド
:ようこそ!
:五期生も揃ったし新生ライブオン開幕や
「……………………」
チュリリ先生は少しの間黙っていたけれど。
「はぁ、やっぱりあなたたちおかしいわ。本当に――あはははは!」
そう言って、最後にはいつもの吐き捨てるような笑いでも、皮肉じみた笑いでもなく、ただただ純粋に笑ってくれた。
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