第234話五期生4

『うむ、少し熱くなってしまったが、ここまでで宮内の自己紹介は終了である。ここからは皆の者からの質問を受け付けるよう運営さんから指示されている。なんでも聞いてくれ、出来る限り答えよう』


 そう言って水を一度飲む匡ちゃん。

 よかった、質問返答となればこれ以上とんでもない主張をすることもないだろう。

 それにしても、こういうところはきっちり運営さんに従うんだな……アンチライブオンを掲げているくらいだからそこには敵対的かと思ったけど、そうでもないのかな?

 そう疑問を持った時、同じことを考えたリスナーさんがいたようで、コメントに質問が流れる。


コメント

:最速で性癖暴露することでシュワちゃんの得意技の性癖展開が封じられたし本当にアンチしてるなって()

:これまだ一人目なんだぜ?

:Q&Aあじゃす!

:指示を素直に聞くってことは、運営さんとは仲いいの?


『少なくとも運営さんに反抗的ではないよ。宮内はアンチとはいえ宮内はライブオンに所属させてもらっている身だからな、方針に従うのは当然のことだ。勘違いしてほしくはないが、宮内はライブオンをこの世から消すつもりではない、正して世界を救いたいだけなのだ』


コメント

:根はいい子で草

:ミヤウチィ(泣)!

:無邪気な正義感ほど恐ろしいものはないんやなって

:クリーンなライブオンなんて汚物が入ってないカレーと一緒なんだよなぁ

:それでいいんだよなぁ

:実際クリーンになったらかわいい女の子の集まりだから

:ライブオンの方が世界のアンチ説出てきたな


「純粋な悪人を連れてこないところは、やっぱライブオンの運営だなって気がするでありますね」

「だからこそどう対処すればいいのか分からないんだけどね」

「そうですよ有素ちゃん」

「え? なんで名指しでありますか? 結婚でありますか?」

「「??」」

「?」


コメント

:具体的にはどうやってクリーンにするんですか?

:それは俺も気になる

:相当強引な手段じゃないとあいつらは無理そう


『それは勿論説得である! 共に活動をする中で宮内の考えをしっかりと対話で伝え、自分が間違っていたと自覚させる! 己が自分の間違いに気が付いてこそ、人は変われるのだ!』


コメント

:ガチいいやつで草草

:ミヤウチィイイイイィィィィィ(歓喜)!

:思想に比べて手段が平和的過ぎる

:もう矯正無理そう

:それはもはや規制ではないのでは……?


『そもそも支配からくる制限などどこかで限界が来るものだ。さっきも言ったように宮内は正々堂々、この地獄を変えに来たである!』


コメント

:地獄なのは変わらないのかwww

:ライブオンにようこそは英訳するとGo To Hellだから合ってる

:一応確認だけど、エロを否定しているわけではないの?


『エロの否定は人類史の否定であるぞ。自分がなぜ生まれたのかを考えれば、それを否定することが己の否定になることに気が付く。エロは素晴らしいものだ。だがライブオン、貴様はだめだ』


コメント

:ええこと言うやん

:そうだよ!

:無条件否定されるライブオンであった

:生徒会長ってどんな仕事してるの?

:そういえば学生って言ってたな

:こいつが生徒会長できるのか……?


『うむ、いかにも宮内は才華女学院の三年生であり生徒会長だ。仕事内容も一般的な学校と大差ないだろう。年だってもう立派な18歳だ。あとそこの無礼者、宮内は教師からも生徒からも信頼が厚いと自負しているぞ! ふはは、なんと言っても自分の理想の世界を作るために動けば自然と規律は整い美しい学園を作ることになるのだからな! あぁ、やはり才華女学院は最高だ! 宮内はライブオンはあの場所のようにしたい!』


コメント

:意外と不純な理由じゃねーかwww

:まぁ内に秘めているものはかなり変態っぽいからなこの子

:お嬢様学校言うてたし、校風ともマッチしてるんやろなぁ……


「なんかあれだね、なにかが噛み合えば仲良くなれそうな気がしてきたね」

「ですね。これからの活動に注目です」

「というか、嫌でも注目させられそうであります!」


コメント

:どのくらいなら下ネタとかセーフなんだろ?

:ちんちん


『きゃあああああぁぁぁーー!! バカ! お前、バカァ! そういうのがダメって言っただろうが! なんて品が無いんだ、これだからライブオンは!』


コメント

:意外とかわいく鳴くじゃねーか(嬉しい誤算)!

:それもダメなのか……

:まぁ一般的に大人が外でちんちんって言ったら社会的に死だから

:俺たちが汚染され過ぎなんやなって

:でも分かるぞ、隠されたものを暴いた瞬間の快感はたまらないものだよなミヤウチィ!


『いや、ちょっとそれは違う……いや、違うというか、考えは似てるから否定はしないけれど、宮内は隠されたものを探求する過程が好きなのであって、その先にある答えを知りたいとは思わないというか……いや、今の者の考えも分かりはするのだがな、でも宮内はなんか違う……』


コメント

:??

:なんだそのこだわりwww

:ほー、隠されフェチ? の中にも色々な考えがあるんすなぁ

:俺はどっちもすこ

:恥ずかしがりやなのか? いやでもここで堂々と性癖語ってるんだよなぁ……


「……やっぱり壁は厚そうだ」

「でもあれですね、意外とかわいい反応するんですね!」

「むむ、コメント欄が萌えている、意外とやり手なのであります……このまま勢力を拡大されては、淡雪殿の危機なのであります!」


 有素ちゃん、多分そんな心配いらないと思う……あと私じゃなくてライブオンの危機って言おうね。

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