第159話聖様の収益化奪還計画1

「それでは! ただいまより聖様の収益化奪還を計画するための会議を開催します!」

「よっ! 待ってました!」

「いや、シオン君? さっきの聖様の話聞いていたかな? 聖様できればそんな大事にしたくないなーというかね?」

「うるさい! もうナルシストの聖様の言うことなんて知らないんだから!」

「やーいアナルシストー」

「かっこいい言い方してるだけでそれただの上級性癖者だよね晴君?」

「聖様もそれっぽく言ってるじゃねーか、なにが上級性癖者だよ普通に変態だよ」


思わずツッコんでしまったところで、改めてテーブルを囲んでいるメンツを見て思わず目がジトっとになる。

あの宣言の後、聖様の手を引っ張り強引に借りた部屋へと、連れ込んだシオン先輩。流れで付いていった私も含めて本当に妙な会議が開催されてしまった。

私は別にこの後用事もなかったので別にいいのだが……。


「なんで当たり前のように参加してるんです……晴先輩?」


なぜかこの合法ロリは気づいた時には同じテーブルに座り、合いの手を入れて会議の開催を煽っていた。


「さっきまで一秒たりともいなかったですよね?」

「おしおが部屋借りてなんか面白いことするって聞いたから飛びついてきたのだよ!」

「野次馬じゃないですか」

「違うもーん、野次馬じゃなくてれっきとした仲間だもーん。赤のアナルシストであるセイセイもそう思うよねー?」

「青〇祓魔師みたいに言うな! 私の中二病全盛期を彩った作品なんだぞ!」

「罪深い作品だねー」

「ねぇ君たち、当然のように聖様をアナルキャラにするのはやめないかい? そのキャラは定着しちゃうともう引き返せないからね?」

「「現状が引き返せるとでも?」」

「貴様らいい加減黙らんかーい!! そんなにお尻の穴が好きならおむつでも履いて来いやごらぁ!」

「「「どんなキレかた!?」」」


開幕以降静かにしていたシオン先輩の突如のキャラ崩壊並みの怒号に、すかさず私は還ちゃんに電話をかける。


『あ、もしもーし? どうしたんですママ、いきなり通話なんて珍しい』

「もしもし還ちゃん、今シオン先輩がおむつ履いて来いって叫んでるんだけど来る?」

『おむつパーティーのお誘いですね、すぐ行きます』

「来るな! これ以上ツッコミ対象が増えたら会議どころじゃなくなるでしょうが!!」

「ごめん、やっぱおむつだけ持ってきて帰ってくれる?」

『履いて行っていいですか?』

「え、でも3枚必要だよ?」

『重ね着するので問題ないです」

「下半身ジオ〇グみたいになってそうだな」

「そもそも持ってこなくてもいいから! 還ちゃんはお家で寝てなさい!」


ふざけていたらシオン先輩に通話を切られてしまった、シオン先輩が履いて来いって言ったのに……。


「ほら、それじゃあ本格的に始めるからね! 聖様の収益化はなんとしても私が戻して一発で解決してやるんだから!」

「いやだからシオン君、そんなムキにならなくてもね……」

「ふーんだっ!」

「おやおや、本格的に怒らせてしまったみたいだねこれは……」

「友人に隠し事なんてしてるからですよ、おとなしく付き合いなさい」


らしくなく歯切れの悪い態度が続いている聖様を説得する。

実は内心ガチで嫌がってる雰囲気だったら何かアクションを起こして解放してあげようかとも考えていたが、困ったような顔をしながらもしっかり席に定着している様子からそうでもなさそうと判断した。

それが助けを求めてのことか、友人への罪悪感から来たものか、それ以外かは分からないけどね。


「それは申し訳なく思ったけど、聖様にもまだ考えがまとまってない部分もあってね。たとえ何か言ったとしてもそれが正しい自信が今はないんだよ」

「まーた遠回しな言い方して! 要はそんなの全部収益化が返ってくれば解決するわけでしょ!?」

「まぁ端的に言ってしまえばそうだけど……」

「じゃあやりますーっ! 聖様の問題なんてこのシオンママが一発で解決して見せますーっ!」

「全く、これじゃあママではなくて子供じゃないか、困ったものだね」

「心配すんなセイント! ちゃんと私たちがいじるときはいじりまくってやるからな!」

「任せてください、サンドバッグにしてやります」

「君たちも大概だね」


ん? 今晴先輩聖様のことセイントって呼んだ?


「あれ、晴先輩さっきまで聖様って呼んでませんでした?」

「急に呼びたくなったからそう呼んだ! なんかしっくりこなかったからセイセイに戻す! いいの思いついたらそれで呼ぶ! それがハレルンスタイル!」

「ああ、いつものやつですか」


晴先輩はライバーのことを全員愛称で呼んでいることは有名だが、閃きがあったもののパッとしなかったようだ。

ちなみに加入当初は呼ばれていなかった四期生の愛称も今では決まっており、リストを作ると


二期生

ネコマ先輩=ネコマー

聖様=セイセイ

シオン先輩=おしお

三期生

私=あわっちorシュワッチ

ましろん=マーシー

ちゃみちゃん=ちゃまっこ

光ちゃん=ピカりん

四期生

還ちゃん=ぴょこすけ(還→蛙→ぴょこすけ)

エーライちゃん=ボス(組長→ボス)

有素ちゃん=ありっち(有素ちゃんの希望で私と似た呼び方らしい)


と現在はなっている。


「いつかシュワッチ呼びも変わってるかもよ?」

「それはなんだか寂しさがありますね、ずっとそれで呼ばれていたので」

「憧れの先輩にはオンリーワンの名前で呼んでほしいってことだね! 分かった、しばらくはこのままでいこう!」

「まぁそういうことでもいいです。ちなみに今はなんでセイセイって呼んでるんですか?」

「聖闘〇星矢を略してセイセイだけど?」

「衝撃の事実、聖様の要素何一つ関係なかった」

「ほら2人とも! いい加減会議始めるよ!」


とうとうシオン先輩に注意されてしまった、関係ないおしゃべりはここまでにしよう。



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