第101話仁義なきホラゲ5
「ねぇねぇエーライちゃん、なんか最近ハマってる物とかある?」
「ハマってるものです? そーですねぇ……最近どころかずっと昔から動物さんのビデオはよく見てるのですよ。AV(アニマルビデオ)ってやつですよ」
「お、いいねぇAV(アダルトビデオ)はお姉さんも大好きだよ。昔からっていくつくらいから見てるの?」
「ん~昔過ぎてあんまり覚えてないですけど、小学校入る前にはもう夢中だったのですよ~」
「は、はぇ? そ、早熟なんだねぇ」
「え、そうなのですよ? 子供なら割と普通じゃないですよ?」
「へ? そうなの?」
「あれ?」
何という事だ、この私ですら小学校に入る前はお花や教育番組や児童向けアニメに夢中だったというのに……
現代の性教育は私が思っている以上に急激に進化しているのかもしれないな。
「でも記憶にないだけで実際はもっと前から見ていたと思うのですよ。ここまで病的に好きってことはもしかすると生まれた瞬間にも見てたのかもしれないのですよ~! なんちって」
「生まれた瞬間に!? AVを見たの!?」
「だから冗談ですよ~。普通に考えたらそんなわけないですよ~」
「そ、そうだよね! あーよかった」
「何をそんなに驚いて……ああ、そういうことかですよ~」
「ん? なにが?」
「気にしなくて大丈夫ですよ~」
コメント
:すれ違いコントになってて草
:これシュワちゃん絶対に勘違いしてるだろwww
:組長ちゃんと動物のビデオって前置き入れたのになんで……
:生まれた瞬間にアダルトビデオ見せられたらトラウマになって逆襲を考えるわ
:まだすれ違ったままだから全然よくないんだよなぁ
:いや、組長すれ違い起こってるの気づいたくさい?
:ぽいな
「えっと、それじゃあ最近見たAVのジャンルはなに?」
「最近は象さんの感動ビデオを見たのですよ~」
ああなるほど、象さんは竿役のことね。そんな遠まわしに言わなくていいのにもう、照れちゃってかわいいなぁ。
でも感動? AVで? ストーリーものだったのかな?
「もう感動の涙が止まりませんでしたよ」
「きっと泣いてるエーライちゃんと一緒にAVの象さんも白い涙を流してたんだろうね」
「んん? どういうことですよ?」
「あれ、伝わらなかったか。初々しいですなぁ」
「はぁ、まいっか、でも象さんって凄いんですよ! ビデオでは鼻の先で物を掴んだり絵をかいたりしていたのですよ~」
「え、まじで? そんなことありえる? あの先っぽの形状で物理的に可能なの? 訓練次第ではできるのかな……」
「更に実は泳いだりすることもできるんですよ~」
「泳ぐの!? え、萎んで膨張してを繰り返したバック走法ってこと!?」
「人を乗せるのだってよゆ~なのですよ~」
「あ、それは納得。騎乗位ってことね」
「そーゆーことですよ~」
コメント
:こんなん卑怯だwww
:これ組長完全にシュワちゃんで遊んでるだろ笑
:全然そーゆーことじゃないですよ~
:萎えて勃ってを繰り返して泳いでる姿想像したら吹き出した
:会話の流れで鼻(竿)で泳ぐと思ったのかwww
:新しい泳ぎ方の発見やな、名前はどうする?
:バタフライがあるんだからカブトムシでいいでしょ
:草
それからもしばらく噛み合っていない会話が続いたあと、コメント欄を確認したところでようやく私は何が起こっていたのか把握したのだった。
「もう、エーライちゃんも意地悪だなぁ」
「いや私ちゃんと動物のビデオって言ったのですよ! 勘違いする方がおかしいのですよー!」
「うっさいやい! 私にとってAVといえばアダルトビデオただ一つ、オンリーワンなの!」
「あ、新しい生存者がいるのですよ~」
「無視すんなー!」
むぅ、まぁいつまでもネチネチしてても仕方がない、ゲーム実況に戻るとしよう。
エーライちゃんが見つけたのは一緒に洋館に来た友達の一人ミカンちゃん。このゲーム屈指の美少女だ。
話しかけてみると、紫鬼から逃げ込んだこの部屋でずっと怯えていた様子。
ここで選択肢の登場だ。
1・一緒に脱出ルートを探そう
2・放っておく
「どーするよエーライちゃん?」
「そんなの決まってるのですよ! 友達なんだから一緒に生きて帰るのですよ!」
迷わず1を選ぶエーライちゃん。流石組長、人情が厚いぜ!
そしてその言葉を聞いたミカンちゃんは――
『はぁ!? あんな化け物がいる中を歩けるわけないじゃない! 馬鹿じゃないの? はぁ、早くタクミに会いたい……』
……………………
「なるほどなるほど」
「く、組長?」
「てめぇの名前ミカンやったよな? それじゃあこのヤッパで全身綺麗に皮剥いてやるよ、覚悟しろ」
「さらばミカンちゃん、紫鬼に捕まったほうがまだ幸せだったかもね……」
もうゲームのエンディングも近くなってきたはず、ラストスパート頑張っていこう!
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