第84話あわましお泊りコラボ5

私が盛大なツッコミを入れたその後、一個目のアイデアが終わったということもあり堰を切ったかのように大量のアイデアがコメント欄に流れ始めた。


コメント

:聖様を倣って全裸一択! 

:逆バニー!

:仮〇ライダーV3!

:健康的でセクシーなやつ、ホットパンツとか

:清楚=爽やか=炭酸=ストゼロということが出来るからレモン柄に泡を付けた感じのワンピースとか良さげ

:右半身がシュワちゃん、左半身があわちゃんでそれぞれの側を見せて喋るあし〇ら男爵方式


いやぁそれにしてもカオスなコメント欄ですな……まともなアイデアと明らかに大喜利目的のネタアイデアが混ざって、これだけで『リスナー渾身の新衣装案集』みたいな感じで一つの動画として成立しそうな勢いだ。


「もうツッコミ追い付きませんねこれ……しいて言うなら全裸って衣装じゃないんですが、裸の王様ですか私……」

「まぁまぁ、でもセクシー路線とかは面白いかもしれないよ?」

「確かに無しではないですよね、シュワとか似合いそうですし。でもあわの清楚とセクシーってマッチってするのでしょうか?」

「魅力というものはギャップから生まれるものでもある。普段清楚な服を着ているからこそ肌が出たときの淫靡さが一層際立つ。ホットパンツとか試してみる価値ありありだと思うよ」

「なるほど!」


私もすごく納得がいく説明だったので期待に胸膨らませてましろんの手元と描かれていく画面を凝視する。

一切止まることなくすらすらと、でも自信溢れる力強さを確かに秘めたイラストラフが完成した。

うん、確かにコンセプト通りホットパンツから出るしなやかな足が魅力的だ。淡雪は意外と身長が高いから尚見栄える。

でも、でもね……


「なんでポケットのところの布が無いんですかましろん……」


本来はポケットがあるべき場所に布地か一切存在しないため、中の、えと、その、下着が少し見えてしまっているのですがっ!


「私の知ってるホットパンツじゃないですよこれぇ!」

「落ち着きなされあわちゃんよ。いいかい、これは見せてもいいパンツなんだよ」

「パンチラならまだしも清楚が常に見せていいパンツなんてこの世に存在しませんよ!」

「見えなくていいパンツなんて存在しない!!」

「なにいきなり名言みたいなこと言ってるんですか……」


コメント

:ふーん、エッチじゃん

:黒い布が見えてアッー!!!!

:抜いちゃだめだ抜いちゃだめだ抜いちゃだめだ

:最低だ、俺

:ほんの少し見えてるだけのはずなのに異様に書き込まれてるおぱんつに草

:ましろんはやっぱり皆の希望なんやなって


「確かに素晴らしいことは認めます、内心歓喜してますしシュワがこの場に居たら「オカズGETだぜ!」って言ってた可能性は否定しません。でも今の私は清楚として抵抗しなくちゃいけないんです!」

「よし分かった、それじゃあパンツを見えなくすればいいわけだね。よし、それじゃあ最初からパンツを穿かなければいいわけだ!」

「おいいいいぃぃぃ!?!?」


控えめに見えていた黒の布が消されてそこに鼠径部と思われる肌色が足される。

これ正面からだからまだ大丈夫かもしれないけど、側面から見たら絶対奥のだめなところ見えちゃうだろ!


「捕まる! この服で外出たら捕まるって!」

「大丈夫あわちゃん。これはね、見えてもいい股間なんだよ」

「言いたかっただけでしょそれ……」


コメント

:ラジオ体操第一、よーい! まずは手を上下に動かす運動から! はい! いちにっ、いちにっ!

:喜びに胸を開いたんやな

:¥50000 

:えっち前リョーマです。現在無我の境地にいます

:あわの呼吸、肆伍肆伍ノ型、白濁液

:二人のツッコミとボケが正反対になってて草


それからはバドガールならぬストガールや露出抑え目のキャンペーンガール風など様々な意見がいくつもペンタブ上を舞った。

そしてそこから最も多くの支持を集めたのがこれだ。

レモンの色である黄色のスカートに、炭酸のシュワシュワを意識した水玉模様を少し幾何学を意識したデザインで配置したブラウスを合わせた衣装。

更には雪の結晶のイヤリングとネックレスのアクセサリで淡雪要素と-196℃を表現している。

あわとシュワの調和がばっちりとれており、私の感想としても非の打ち所がないデザインだ。


「ふぅ、運営さんと相談もあるからまだこのデザインでまだ確定とは言えないけど、いいものができたね」

「そうですね。ましろん、そしてリスナーの皆様方、本当にありがとうございます!」


さて、もう今回の配信の目的は終了したから、後はお風呂入って歯磨きして寝ましょう!


「ましろん先お風呂入っていいですよー。お客様優先でどぞどぞ!」

「ん? 何言ってるの? 一緒に入るんだよ?」

「……はいぃ?」


今なんと……?

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