第75話ワルクラ配信1

「プシュ! ごくごくごくごくッ! あ、やべ」


コメント

:プシュ!

:¥155

:待ってました! ¥1550

:ごっくん音ありがとうございます

:変な言い方するなwww

:まぁたんぱく質入ってるし実質ストゼロも精液みたいなもんやろ

:草

:ところがどっこい! なんとストゼロはたんぱく質0なのです! これが現実! 

:まじで? 流石ゼロの名を持ってるだけあるな

:わぁ健康的! これはもう買うしかないですね!

:良いところにしか目を向けない宣伝広告かな?

:まぁ水分だし実質ストゼロも精液みたいなもんやろ

:君は世の中がほとんど精液に見えているのかな?

:沙〇の歌より地獄に生きてて草

:どこを見ても驚きの白さ、人間さえ精液に見えるそんな世界に絶望していた中、唯一ストゼロに見えたのがシュワちゃんでした。生きる希望です

:人じゃなくストゼロに見えているのか(困惑)

:おストゼロ増やしておきますねー

:ん? シュワちゃんどうしたんや?

:なんかミュートになってる

:もしかしてアクシデントか?

:普通に心配


「あ、失礼しました! 今戻りましたシュワです! ちょっと実はこれが今夜二本目のストゼロでして、ちょっと一本目の影響で尿意が……流石にそのまま行くと第一声より先に排泄音を聞かせた女と呼ばれそうだからミュートしました、えへへ」


コメント

:えへへじゃないが……恥じらう内容とのギャップがやばい

:なぜ自分から不名誉な渾名を増やしていくのか

:第一声より前に酒流し込んでるのも普通ではないんやで

:ストゼロ洗った?(洗った厨)

:体内でストゼロシュワちゃん味を作ってたわけですね分かります

:まさか本当にストゼロ生産工場になってたとは驚いた

:どんな味するんだろ

:ストゼロの味でしょ

:それが分かんねぇよ

:ストゼロ味のストゼロ(シュワちゃん味)少数限定発売

<相馬有素>:買うのであります!

:ほんと有素ちゃんシュワちゃんの配信にいつもいるな笑

:せっかくのデュアルディスプレイをシュワちゃんの配信同時視聴とかスピーカーを沢山繋いで疑似立体音響とかに使ってたような子だから当然のことさ

:取り込んだ味によって変わるでしょ(マジレス)

:ババコ〇ガみてぇだな

:もうちょっと例えどうにかならんかったんか……


「それじゃあ気を取り直しまして、今日は何と、とうとう私も『ワールドクラフト』に参加します! 待たせたな! ちょっと設定で手間取っちゃって……遅くなってごめんね」


ワールドクラフト、通称『ワルクラ』は世界的に有名なゲームタイトルだ。

自動生成されるほぼ無限に広がる世界には達成しなければいけない事柄はない。インフラを整えて思い思いに生きたり、正方形にデフォルメされたブロックたちを使って建築を楽しんだりする所謂サンドボックス系のゲームだ。

この時点でかなり革新的なのだが、このゲームの更に衝撃的なところはサーバーさえ用意すれば同じ世界で大多数の人間が同時に遊べてしまうというところ。

一週間ほど前にライブオンの運営からサーバー開設のお知らせが届き、もう何人かのライバーは先に遊んでいる状態になっている。

私は見たことはあるものの実際にプレイするのはこれが初めて。しかも実質ライバー達との共同生活。お知らせを見た瞬間から楽しみで仕方がなかった。

でもな、PCは分からない人間に寄り添ってくれるほど甘くないねん……ましろんに教えてもらって今日やっと正常に動きました……

遅れた分を取り戻すためにも今日からがっつりプレイするぞ!


「それじゃあ専用サーバー『ライブワールド』にログインして行くどー! 普段のプレイは『生活モード』でやっていきたいと思います」


このゲームには敵のモブが登場し、体力や空腹ゲージ、物資の自給自足をする必要がある『生活モード』と、それらの要素をなくしひたすら建築に没頭できる『建築モード』の二種類のモードがある。

やっぱり何が起こるかわからないスリルがある方が配信的に面白いと思うから私は生活モード一択で! 何か企画とかがあるときだけ建築モードは使うことにした。


コメント

:ついに来てしまうのか――

:遅れてやってきた大本命

:ライブワールド界に激震走る

:絶対にろくな事しないぞこいつ!

:魔王が降臨したみたいな反応ばっかで草


「お、来た来た!」


昼間の太陽の下、まだ人類手付かずといった感じの草原に私のテクスチャを着せたキャラクターが颯爽と放たれる。


「見てこれ! ちゃんとi love ストゼロTシャツも再現してあるんだよ! しかも清楚な服のあわちゃんモードに変更も可能!」


ピョンピョンと跳ねながら走り回るがひらけた自然の中では小さな米粒のようだ。走りを遮る人工物すらない為、大自然を進むワクワク感と孤独感が同時に襲ってくる。

まだワールドが解放されてから日が短いため、他のライバーも恐らく近くの適当な場所に仮拠点を立てて暮らしている段階なのだろう。

いつかは皆で協力して村、更には街、更にはその先にまで発展させていきたいね!


「あ、あとね、どうしてもこのゲーム作業シーンが多くなりがちだから、その都度マシュマロとか返したりするね!」


心音淡雪の第二の人生、ワルクラで始まります!

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