第22話 エラーと怒り
宿に着くと、ゼクサスはすぐに目を覚ました。
案外軽症のようだな。
「頭痛てぇ。はっ、そうだ。ヒナとローズはどうした? 無事なのか?」
すみません。記憶喪失という名の重症でした。
「記憶無いのかよ。お前が助けたじゃねぇかよ」
俺は笑いながらそう言って、ゼクサスの背中を叩く。
「そうなのか。なんか変な声が聞こえてから、理性を失ってしまったような? よく覚えてねぇや」
? 理性を失っていた? そんな状態で、ヒナ達を助けたのか!?
ヒナからツゥエイ達を吹き飛ばす時に、イシェルヒードの炎を上手くコントロールして、ヒナに当たらないようにしたのか? いやいやいや、嘘でしょ。
「そういえば私もその変な声聞いたよ」
ヒナの言葉に皆んなが振り向く。
「確かにオイラも聞いたよ〜」
「あぁ、俺も聞こえた」
俺とハーツは確かにと頷くが、
「私はそんな事に集中出来なかったから・・・・・・聞いてないわ」
ローズだけ聞こえなかったらしい。確かにローズも酷いことされたもんな。
「えらーってなんだ?」
ゼクサスの疑問に俺が答える。
「エラーって言うのは故障みたいなもんさ」
得意げに答える俺に、ヒナはこう言った。
「何の故障?」
・・・・・・分かりませんでした。
「ん〜。世界のエラー的な? いやいや、そんなアニメみたいな展開があるのか」
俺がブツブツ独り言を言っていると、
「シュウって意外と物知り?」
嘘でしょ! みたいな顔してハーツがそう言う。
「正直に言うとさ、俺が元いた世界にはエラーって言葉が存在してるんだ。別に物知りって訳ではないかな」
いや、何言ってんだ俺。それって物知りって事で良くね。
頭を捻る俺に、ヒナは笑っている。
良かったぁ。ツゥエイに嫌な事をされて、ヒナは相当傷付いているはずだから、少しでも笑顔になってくれて嬉しかった。
「ヒナはやっぱり笑顔が可愛いよ」
なっ! ゼクサスにかっこいいセリフ取られたんやけど。あの野郎ふざけやがって!
俺がゼクサスに殺気の籠った目を向けていると、
「あぁぁぁぁ! ごめんヒナ、変な事言っちまったな。」
そう言ってゼクサスは、顔を真っ赤にしながら走って宿から飛び出していってしまう。
えっと・・・・・・意外と乙女なのね、ゼクサス。
それからしばらくして、ゼクサスが帰ってきて、皆んなで街の観光する事にした。
明日が祭りなのに、今日が祭り当日と勘違いするほど人が多くいる。
「すいやせーん! 主人公とか言って調子乗ってました。やっぱりこの量の人がいるのは無理です。生命線にヒビがぁぁぁ!!!」
俺が突然そう叫ぶので、俺達は宿に戻る事になりました。
皆んなには悪いが、一緒に外出するのは明日にしてほしいと頼んだ。
祭りの日しか、人々の熱い熱気には耐えられませぬ!
諸君、すみません。ついでに作者もごめんな。
ちゃんとストーリーあるんだろうけど、俺は陰キャヲタクなんです! ただの人混みならいいよ、でもさ、今回は祭りに向けた準備している人達の熱気が半端ねぇ訳だよ。
って事で寝ることにしました。
(この主人公、殺そうかな。イベントスキップして寝るなよ!)
⚠ 上の括弧は作者の声です。
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