ムサシノジェネシス
なかならびたろう
プロローグ
所沢と多摩西部の間にある武蔵野の丘陵には、不思議な現象がある。多摩地域に埼玉の地方テレビ局の電波が届かないのは、武蔵野丘陵を挟むからと言われている。また、南から来る雨雲は武蔵野丘陵で遮られ、埼玉は晴れが多い、とも言われている。
武蔵野の台地に住む多くの人は、このさほど標高も高くない特別に見えない丘陵が、さほど不思議な力を持っているとは感じずに、日々を暮らしている。
そんな武蔵野の丘陵について、不思議なわらべ歌が存在するのをご存知であろうか。
ひ みず ひ みず くるくる
えんえん みんなで ないてたら
おおきな むしが すわった
ひ みず ひ みず わかれた
多くの人は恐らく、意味も分からず口ずさんでいただろう。やがて、このわらべ歌を口ずさむ人も廃れていった。ある一家を除いては。
この一家は、武蔵野の丘陵のふもとで、ひっそりと暮らしている。だが、その一家の歴史は古く、古代からこの地に暮らしてきた。そして代々、このわらべ歌の意味が受け継がれてきた。
実はわらべ歌の意味は、この一家以外に口外されることは無かった。しかし、この一家も跡取りが途絶えてしまい、現在ご存命の方も高齢になってしまった。そこで今回、後世に残すため、身元を明かさないことを条件に、特別に話して頂いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます