(三)‐18

「大丈夫。シッコもわかっているって」

 ケンがそう言った。

「もう一つ発見した。これは全部でいくつあるんだ?」

「全部で四箇所のハズよ、シッコ」

「なら、私も手伝おうか」

「チッチは待て。何かあったときのために待機だ」

「大丈夫でしょ。私だって船外作業は初めてじゃないのよ」

 窓の外を見ると、チッチがステーションを蹴って輸送船の船体の、シッコとは反対側へと向けて泳いでいた。

「チッチ、やめろ!」

「チッチ、船外作業規程は知っているでしょう、戻りなさい!」

 ジョージの声に続けてナオミが強い口調で言った。


(続く)

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