(三)‐17

「パネルを外す」

 無線でシッコが言った。すると窓の外では四角いパーツが宇宙空間を地球の方へ向かって飛んでいくのが見えた。

「シッコ! できればパネルは持ち帰ってくれ。デブリが増える」

「すまん、少し力を入れて外したら飛んでいってしまった。次は気をつける」

 その声と重なるようにナオミから「どうしたの?」と無線が入った。

「すまない。パネルが宇宙空間に飛んでいった」

「そう。気をつけてね。小さい破片でも、力学エネルギーを持った物体は宇宙空間では凶器になり得るんだから」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る