(三)‐14

「ケン、モニターできるか」

窓の外を見ながらジョージが言った。

「二人は今、壁面の手すりを伝って移動している。そろそろそちらの窓の方に出るはずだ」

「了解。ケン、アームの準備はいいか」

「もちろん、できてるよ。任せてくれ」

 しばらく、船内は静寂の音が響いていた。

 ジョージは下方の窓を覗いた。大きくて青い惑星が見えた。窓の脇のすぐ近くでは手すり伝いにシッコとチッチが輸送船に近づきつつあった。

 するとヒューストンから再び無線が入った。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る