4話 第3の魔王

 ここは異世界だ! と、気分を改めて魔王討伐に向かう。

 と、その前にステータスを確認しておく。かなりの数をかったからレベルが上がったんだった。あと笑い堪えて上がったんだったな。


 種族『THEスライム』

 Lv6 ♂ スラオ


 進化まで後Lv54


 HP: 830(*67)  MP: 601(*18)


 攻撃力: 557(*39)

 守備力: 600(*28)

 素早さ: 442(*30)

 魔法耐性: 298(*9)


 特技 転写


 スキル 毒霧 硬化 撃進 鞭打ち+1  トゲ


 個体特性 無し


 特殊技能 無限成長


 称号 転生者・超晩成型・進化者・変態・卑怯者・人の道を歩む者


 

 あ、いつの間にか鞭打ちがレベルアップしてる。あんだけ狩ってもレベル2しかあがんないのか……。種族クラス差よりステータス差の方が優先されるから仕方ないな。スラスケのも確認しておこう。



 種族『魔スライム』

 Lv18 ♀︎ スラスケ


 進化まで後Lv42


 HP: 876(*112) MP: 1105(*148)


 攻撃力: 445(*58)

 守備力: 599(*65)

 素早さ: 501(*63)

 魔法耐性: 675(*106)

 魔力: 1001(*178)


 特技 転写


 スキル たいあたり 毒霧 硬化 魔力操作+1


 個体特性 無し


 特殊技能 無限成長 言語理解


 ……まぁ……あんだけ倒してたらそうなるよな。魔力操作もレベル上がってるし。しかも四桁目に突入しやがった……。なんて奴。魔法タイプ憎むべし……てかもう、スライムじゃないよなこんなの。見た目は色以外初期スライムと変わりないのに。


 「はぁああああああ。」

 「なんだよ大きなため息ついて」

 「なんでもないよ。」


 ステータスがボクより高いって知ったらまた関係性が逆戻りしそうだし。何より、持ちつ持たれつな関係で行きたい。


 「まあいいか。それより早く魔王倒しに行こうぜ!」

 「だな! 気分入れ替えてやろう!」


 そうして二匹はボスステージへと向かう。


 ***********

 

 「あいつが次に倒すやつか…なんか強そうだな…」

 「あいつがそうだ。めちゃ強いぞ。待ってて、今ステータス確認するから」


 いったん草陰に隠れて次の魔王……皇帝獅子エンペラーレオ……を観察する。流石に皇帝と名前がつくだけあって、キャラデザにもかなり金をかけて作られている。クソかっこいい。黄金に銀のグラデーションのかかったタテガミなんか最高だ。20年ぶりに見たけどやっぱりかっこいいなぁ……

 ちなみにこいつは鬼獅子の最終進化、という設定だ。なのでライオンをモチーフにした外見をしている。強さの象徴ライオンとこれまた強さの象徴皇帝を掛け合わせただけあってめちゃんこかっこいい。俺の中では人気ナンバーワンのモンスターだ。そして何よりおそらくだが、このゲーム内のキャラで一番ビジュアルにお金をかけて作られている。声にしてもなんにしても否定のしどころが無い。


 種族『皇帝獅子エンペラーレオ

 Lv 84


 進化まで後Lvーー


 HP: 8581 MP: 2543


 攻撃力: 1693

 守備力: 1873

 素早さ: 934

 魔法耐性: 1192

 魔力: 862


 スキル 王者の咆哮 皇帝 火炎魔法 


 個体特性 最終進化 森の皇帝 皇帝の眼光 


 な。こんなもん序盤の森に出てくるとかおかしいんだよ。非遮平原にいたあのドラゴンよりもステータスも高い部分あるんだぞ…? クレームを入れたくなる気持ちもわかるってんだ。初めてこいつに挑んだ時は何が何やらわからず気づいたら教会にいた。



 「で、どうだ?」

 「強いな…今までの相手よりもはるかに。ドラゴンとステータス的には同じくらい…いや、攻撃力なんかは特に高いがドラゴンほど守備力が高くないのが嬉しい。ストックは十分すぎるほど溜まったし、ステータスの差は補えるはず。ただ、むやみやたらに突っ込まないことだな。」

 「よし、いくか」

 ん……? 話聞いてた……?


 いった側から魔法タイプのくせして前衛に突っ込んでいくスラスケを、唖然として眺めた。

 こうして第3の魔王討伐が始まるのであった。


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