第18話 スラ生の岐路。

 ドラゴン1匹でいきなりレベルMAXになった。そりゃそうだ。戦闘に参加してないとはいえ、あれだけステータス差があったんだから。それに魔物としての格の違いもある。底辺がエリートに勝つような物だ。だが今回は強制進化は何故かはわからないがしなかった。代わりにこんなものが……


『進化可能レベルに達しました。次の3つの進化先から今後の道を選んでください』


 3つの進化先? 押してみるか。あ、出てきた。


 1・『神への道』

 2・『魔への道』

 3・『人への道』


 初期スライムに戻ったのってもしかしてこれがあったからなのか? にしても、この先はどうなるのか全く想像つかないな……ゲームは序盤の後半あたりからスライムなんていなかったし。


 神だと、ゴッドスライムとかになるのか? 『獣神』ならぬ『柔神』になったりして……(笑) 面白くねーや。

 魔だと、魔王? んー、神より弱そうだな、ゲームで魔って言ったら魔王が1番上だし……その上があるのか? 成長に限界ないしな。

 3つ目の人だけど、この3つの選択肢に人を並べるってちょっとおかしくね? 圧倒的に弱そうなんだけど。


「なぁスラスケ、レベルMAXになっただろ? それでなんか出てこなかった?」


「なんか出てきたな。神とか魔とか」


「どれにする?」


「魔だろ? かっこいいし」


 本当にお前は浅はかだな……って、もう光始めてるし。狭いんだからここではやめろよ!


 スラスケの体が青く光る。いつもより少しだけ長い。光がおさまり姿がはっきりと見えてきた。


「どうだ?」


「魔って感じだ。」


 「なんだよそれ」


 フォルムはほとんど、というか全く変わっていない。変わっているとすれば色だ。言葉では形容し難い『魔』って感じの色になっている。語彙力のなさは許して欲しい………高校生で死んだんだから。


「僕はどうしようかなー」


「『神』しかないだろ? 被んの嫌だし」


「そんな理由かよ。あれ? その言い方だと選択肢2つしか無かったの?」


「何言ってんだ? 2つしかないだろ?」


 え? 人が選択肢にあるのって、僕だけ? 元人間だからか?


「いや、俺には3つ目の選択肢で、『人』があるんだよ」


「弱そうだな」


「僕もそう思うけど……」


 なんか、元人間だからそう言われると複雑な気分になるんだが………しかもスライムに。いや、今は強いんだけどさ? 『ある程度は』


「好きなようにしていいんじゃね?」


「成長限界が無い人間とかめちゃくちゃ強くないか? 絶対モテるだろ?」


「人間のメスにモテて何がいいんだよ」


 あ、そっか。こいつスライムだったわ。


「ま……まぁそうだな」


「なってみろよ? 面白そうじゃね?」


「だなー、なるか。」


 3の人の道を選んだ。今までと同じように青く光り、体が熱くなる。


「どうだ?」


「変わってないぞ」


「えっ?」

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