道連れワルツ

ロセ

第1話

 ヤニが染み付いて茶色に汚れた巨大な換気扇が薄汚れた白い部屋の空気を掻き回している。気だるげに働く換気扇の動きを煙草を吸いながら見る男が居た。気だるげに、そして彫像品のように佇んでいる男の姿はひどく整っていた。黒髪は勿論の事、顔や手足、身長など計算尽くされたように完璧だったのだ。彼が外を出歩けば、さぞ美青年ともてはやされる事だろう。彼は換気扇を見続ける事に飽いたらしく、ぷいと視線を外してしまった。それから暫く男は手持ち無沙汰にしていた煙草の煙を吸っていたのだが、灰が落ちそうになったのに気付いて灰皿を探した。と、横から意中の物が差し出される。彼は眼前に現れた灰皿を受け取り、煙草を押し付けるようにして火を消した。

 証拠隠滅をした後、腰を折り曲げて足元に灰皿を置き灰皿を渡してくれた主――半そでのカッターシャツと水色のスカートを着た少女を見やる。彼女の眼元には黒い隈が出来ており、彼女自身が感じているであろう疲労の濃さが伺えた。少女を観察していると、彼女は苛立たしそうに男に尋ねた。

「壊れない訳?」

 叱咤するような声に彼は目を細める。八つ当たりされているのだろうか、と考えもしたが、少女はそういった事で怒る事よりも呆れる方を選ぶ人間だった。極力、熱量を使いたくない人種なのだ。とは言えども、少女が眠気と疲労の板ばさみにあっている事は間違いないだろう。

 上手い返答をしなければと回答を模索していた時に初めて、男は少女の服が赤色に汚れている事に気付いた。少女は頭から赤い水でも被ったのか、髪から手から洋服からぽたぽたと赤い水を落としていた。その為、男は細めていた目をより細めて、

「あなたが先に壊れそうですね」

 と少女から問われた質問の答えを織り交ぜつつ続けて、今日は一体どんな所へと訊く。問われた少女は不快感を露にしながら、

「赤い雨が降る場所に」

 それは、と呟く男に少女は先手を打った。

「間違っても良い場所じゃない」

「そうですか。……タオルを持ってきましょうか」

 本来なら最初に出すべき提案を男は遅れて出した。が少女は首を横に振った。

「お風呂に浸かるから良い。それと壊れてるよ」

 数秒遅れて、男は何がでしょうと首を傾げる。少女は動作すらもが完璧な男を呆れた顔で見ていた。

「君の思考回路が」

 男は少女に指摘されて初めてそうかもしれないと思えた。そうかもしれませんね。特段困って居ない様子でそう返した男に、彼女は溜息を零す。

「反応が鈍いもの。その煙草、一体何本吸ってたの」

「……どれくらいでしょうか」

 男があさっての方向を向いて本当にわからないという表情を浮かべてみせると、少女は顰めた面を見せた。

「呆れた。というかその煙草、何時買ったの?」

「……検索する時間を頂いても?」

「分単位で検索がかかるようならしなくて良いよ」

 少女は突き放すようにそう言いながらも赤の斑点を落としていた。

「ペッパーシュガーも自社の製品の思考回路を溶かすような、阿片煙草作って何が楽しいんだか」

 苦々しくそう零す少女の瞼は閉じたり、開いたりだった。

「発言は録音されていますが」

「どうせ筒抜けじゃない」

 唾を吐き捨てるように少女はそう言い、お風呂に入ってくると風呂場へ向かって行った。少女が通った道に血痕のように落ちている赤い斑点を眺めつつ、男は「はい」と律儀に返事を渡した。

 返事をしつつ、男は懲りずに少女から小言を貰った煙草を新しく箱から一本取り出して口元に咥えた。その途端に煙草の先が発火し紫色の煙を上げ始め、頭の奥が溶けているような心地を男は味わっていた。「酔う」感覚が男には判らない。ただ「溺れる」感覚だけは与えられた。その感覚が思った以上に心地よくて、男はひたすらに煙草を吸い続ける。それ以外に何をすれば良いのか、男は良く判らなかった。

 男――ウォルター・ペッパーシュガーはどうしようもない機械だ。


 ■■□

 ウォルターは機械部門で独占経営をなしているペッパーシュガーという、ふざけたファミリーネームを持つ会社の一製品だ。保有者の意思で見目は自由自在に変更が出来、後は彼らの仕事をさせるだけ。彼の型番は生物実験会社ソルトの好評を得た。なにせ彼らは彼らで、効率性に富んだ実験動物に与えるとっておきのおもちゃを探していたから。ウォルターの型番は飛ぶように売れ、彼もまたある雌の実験動物に買われた。彼女は彼に彼の役割を求めたし、ウォルターはウォルターで植えつけられたプログラムに従って過ごしていた。

 きわめて上手く彼らの歯車は回っていたかと思えた。いや、本当は上手く回っていた事なんて無かったのかもしれない。実験動物と称されても彼女は人で、ウォルターは機械だったのだから。彼女は心で思いを紡ぎ、彼は言語機能から計算をして言葉を話す。齟齬が生まれないわけが無かった。

 自分の歯車を回す事に疲れた実験動物は男が一人ぼっちになる事をかわいそうだと考えたのか、最後の力を振り絞ってウォルターを一心不乱に壊した。精巧に出来た腕や足を体からもぎ取り、手近にあった物で肉体を砕いた。最後に彼女はウォルターの生命線を引きちぎった。

 それにより彼の意識は一時冷凍状態となったので、それ以降何があったか判らない。ただ次に意識が回復した時、ウォルターの前に居たのは(正しくは覗き込んでいたらしいが)幼い雌の実験動物だった。こちらを伺う目だったり、夜が明け始めたかのような紫色の瞳が自分を壊した実験動物そっくりだった。が、近くにあの実験動物の姿は無い。無事に旅立てたらしい。胸の内が軽くなるような気がした。

 目を細めるウォルターを見て少女は小首を傾げ、よれよれになったチョコレートブラウンのカッターシャツを着た長身の男を振り返った。だらしない格好だったが、不思議とその男にはそのだらけきった姿がよく似合っていた。そこでウォルターははっとした。このだらっとした男はウォルターや、彼の兄弟機の設計図を引き、思考回路を作った博士だったからだ。

 そうか、ここはペッパーシュガー社のラボラトリか。急に視界が明るくなったような感覚をウォルターが味わっていると、少女は目をくりくりと動かして彼にこう尋ねた。

「ロールキャベツは作れる?」

 その問いに博士は腹を抱えて笑っていた。ウォルターの思考回路を付与、決定した張本人であったし、何より彼女が望む事がウォルターの存在意義とは大いに異なっていた事を彼は知っていたからだ。

 優先すべき順位は保有者である実験動物、それ以外の実験動物、自分自身の順だ。ウォルターは保有者で無い目の前の少女にすら嘘を吐く事が出来ない。

 いいえ。

 フロートに従って、彼はきっぱりそう答えようとした。けれども期待に満ち溢れた実験動物の表情に彼は躊躇い、ついには少女に白旗を上げる羽目になった。

「レシピを見た事が無いので何とも。ですがあなたが求めるなら鋭意努力致します」

 やった。実験動物は手を叩いて喜び、博士にウォルターの外見や部品を修理する事、それからロールキャベツのレシピを渡してくれるようにと依頼した。それが現在まで生活を共にしている実験動物――ソシオとの昔話だ。

 おおよそ六年の月日が流れる内に変わった事がいくつかある。

 まずソシオだが、以前は度々笑うことがあった彼女もめったに笑わなくなってしまった。実験動物たちの顕著な特徴――諦めと呆れを彼女も学んでしまったらしい。そしてウォルター自身だが、ソシオの望みたるロールキャベツ作りは彼の想像を超えて遥かに困難を極めた。これほどまでに厳しいのには理由がある。ウォルターには味覚が与えられていない。ウォルターだけではなく、彼の型番は全員味覚を持っていなかった。

 それにレシピに明記された材料の分量で、度々適量という言葉が用いられるのだが、これがウォルターには理解しきれなかった。どれくらいが適量なのか、とレシピを彼なりに訳す所から始まり、それぞれの工程で何度も失敗を繰り返した。ソシオは失敗作たちを必ず平らげてくれたが、何度か唸っていたことは言うまでも無い。

 じゅわり。肉汁が溢れるような。頭の中でそんな音が聞こえた。見れば、煙草の灰が足元に大量に落ちていた。どうやら一本分吸い尽くしたらしい。灰の小さな山をじっと見つめる。

「舐めるのは止めた方が良いよ」

 明瞭とした声に顔を上げれば、先ほどより疲れが取れた様子のソシオ。横に浅葱色の線が一本入った白色のパーカー、ふわふわと揺れるラベンダー色のシフォンスカート。

「それは俺も流石にやろうとは思えません」

 苦笑するような声色でそう答え、ソシオの元へ寄り彼女に阿片煙草の箱を手渡す。ソシオは意図を測りかねてか、彼と煙草を交互に見比べている。

「捨ててください。二度と吸わないように」

 ソシオは眉を顰めつつ、こう切り返してきた。

「捨てる事は出来るけど、我慢できるの?」

「……判断しかねます」

 苦く漏らした言葉にソシオは呆れた顔でウォルターを見た。ろくでなしの科学者たちを見るようなその表情が今、自分に向けられているのだと思うとウォルターは居た堪れない。ややあってソシオは溜息を零した。

「どうやって入手したかは思い出した?」

 ウォルターは目を見開き、直ぐに阿片煙草を入手した経緯を報告し始めた。

「あなたが実験に召喚されて翌日のお昼過ぎです。買い物に行った帰りに呼び止められまして」

 誰に。至極面倒くさそうに彼女は合いの手を挟んだ。

「雌の実験動物です」

 そこで彼女は破顔し、先を話すように促した。

「煙草を吸いたいけど、この煙草は俺達の信号を受け取らないと火が点かないから点けて欲しいと」

 ソシオは心底呆れた様子で、

「お人よし」

 とウォルターに言葉を投げつけた。ウォルターはと言えば返す言葉も無いらしく顔を俯けている。ソシオは睨むように目を細めながら言葉を紡ぐ。

「分からない事が二つあるんだけど」

「何なりと」

「その実験動物は何で機械専用の阿片煙草に火を付けたがったの?」

 至極最もな質問だとウォルターは頷く。

「あれはどうやら実験動物でも同じ気分が味わえる物だそうで」

「実験動物の脳も溶ける、とそう言いたいの?」

 返事をする代わりに頷いてみせれば、ソシオは重い溜息と一緒にペッパーシュガー社への悪態を吐いた。怒りの色を表す彼女もたいそう珍しい。ウォルターが感慨深げにソシオを眺めていると、疲労の色を潜ませる紫色の瞳が彼の視線を捉えた。

「いくつ煙草を?」

 ウォルターは瞬いた。ソシオの声があんまりにも冷たかったからだ。思考回路の端っこが嘘を吐くか悩んだ。嘘を吐いてはいけない。そう返ってきたから、まだ優先順位のプログラミングは溶けていないんだろう。

「五箱ほど」

 彼女の眼が見開かれた。そして一言、

「壊れたかったの」

 と聞いた。ウォルターは答えるか否か迷った。思案してなかなか返答を出さない機械にソシオは苛立ったらしく、パーカーのポケットに煙草をねじ入れて玄関の方へ向かっている。 

「また実験ですか?」

 機嫌を取るようなウォルターのそれに、ソシオは散歩と短く答えた。既に日は沈み、辺りは暗くなっているはずだ。ウォルターはソシオの後を追い靴紐を結ぶ背に、お供しますと声を掛けた。ソシオはスニーカーの紐を二つともちょうちょ結びにして、ウォルターを見た。

「ご自由に」

 

■□■

 ソシオの人生は悲劇めいた喜劇の脚本で出来上がっている。ソシオには家族は居ない。それはソシオに限らず、人の形を保っている生き物たち全ての当たり前だった。

 家族は与えられる物ではないし、持つ物ではない。それがソシオたちを作った人たち――科学者の言い分だ。但し彼らは家族の存在意義を否定する代わりに、ソシオたち生き物に自分の巣と一生を飽きずに過ごすためのおもちゃをくれた。毎日を巣で穏やかに過ごしたいのなら、こちらの要請にはきちんと従うんだよ、と最後にそう付け足す事を彼らは忘れなかった。

 ソシオやソシオに類似する生き物達はこうして悲劇めいた喜劇の脚本を渡される。

 そんな舞台でいち早く彼らは学ぶ。抵抗など頭のねじが飛んだ実験狂いたちには無意味だと。だからこそソシオたち実験動物は自分達の安寧を何よりの宝物としている。時たま実験狂いたちが突拍子も無い実験に自分達を要請し使うが、その為に用意された体と魂なのだからしょうがない。そう思って、彼等はおかしい実験に親身になって付き合っている。いや、親身というのは聊かおかしいかもしれない。なにせ実験動物と科学者の間に何らかの関係が生まれることは無いのだから。

 ソシオは諦めと呆れを程良く知っていた。実験狂いたちが行う実験がそのどちらかにしか例えれなかったからだ。たとえばその日、ソシオが使われた実験は赤い雨が降る場所に居たらどんな気分になるかだった。彼女は三日三晩傘をさす事さえ許されない中で、赤い雨に延々と打たれ続けた。

 雨水の冷たさと気持ち悪さに眠る事さえ出来ず、バックミュージックをかけてあげようと科学者が変な気を利かせて凄惨な音を流してくる物だから酷かった。予定されていた実験時刻が終わるなり、あちこちに跳ね返った金の髪の女性は興奮気味にどうだったと尋ねた。寝たいと今の気持ちをソシオが言うと、女性は頬をばら色に染めながら改良の余地があるわと嬉しそうに笑った。

 何がそう楽しいんだろうか、と分かりそうに無い女性の思考に意識を傾けていると、彼女はソシオに通帳と栄養剤一式を渡した。

「またお願いするかもしれないわ」

 明るい青色の瞳はひどく淀んでいて、ソシオにはその瞳がこの世界そのものを象徴しているような気がしてならなかった。


■□□

 空は既に黒の帳を張り、輝く砂を散らしている。灰色に塗り固められた道の左側に電柱が等間隔に設置され、電柱が張っているケーブルはぴんとしていた。それ以外には外灯が一つぽつねんと置かれているだけで、なんとも殺風景な道だった。その道をソシオはすたすたと歩き、彼女の二歩後をウォルターは歩いていた。

 時折ウォルターはこの二歩の距離に、生き物たる彼女とそうでない自分との違いがあるのでは、と考えていた。先を行くソシオの頭が時折、大きく傾ぐ。眠たいのだ、きっと。と、ソシオが突然立ち止まった。立ったまま寝たんだろうかと馬鹿らしい事を考えながら、彼女の様子を伺う。ソシオは欠伸をかみ殺し、何度も瞬いている。ウォルターは見かねて、おぶりますよと提案した。彼女は瞼を僅かに開いて彼を見やり、

「……しつこいようだけど、何で吸い続けたの?」

 ウォルターは僅かに身じろぎしながら、

「……良かったものですから」

 と苦々しく答えた。彼からの返答を聞いて、ソシオはうんざりとした表情を見せる。ソシオのその表情にウォルターはついに白状した。

「記憶を葬りたかったのです」

 ソシオはウォルターを見つながら静かに問う。

「辛いから?」

 その問いにウォルターはふっと笑った。辛い。それを確かめる術がウォルターには無かったのだ、だって機械だから。静かに笑うウォルターに、ソシオはパーカーのポケットから煙草を取り出して彼に渡した。ウォルターの視線が戻ってきた煙草に釘付けになる。

「どういう事ですか」

 喉から這い出てきたのはおそろしく人間臭い、震えた声だった。彼女は先ほどまで船を漕いでいたのが嘘のように、ぱっちりと目を開いている。

「禁煙した方が良いよ」

「……行動と言動が見合っていませんよ、ソシオ」

 ウォルターの言葉に、彼女はゆっくりと首を横に振る。

「どっちが良いか、私もよく分かって無いんだもの。君が葬りたい記憶に居る人と私は一緒の生まれだから、なんとなくその人は誰かの記憶に残れた方が嬉しいんじゃないかって思う。でもそれはあくまで実験動物のソシオの意見で、君の立場に沿った物じゃない」

 一拍置いて、ソシオはさらに続ける。

「私は残された事も無いし残される道も無いから、残される気持ちがどういう具合なのかは分からないけど」

 そう言いながら、ソシオはウォルターを見つめた。空に浮かぶ星の輝きが彼女の瞳に混ざりこんでいた。

「君を見ていると、それは辛いんだろうなって思うよ」

 ウォルターは自身の思考回路が熱を持っているような気がしていた。ソシオは止めにこう言った。

「辛いなら溶かせば良い。でも修理しても戻って来ない何かの事を、いっぺんシミュレーションしてみて」

 シミュレーション。鸚鵡返しに呟く彼にソシオは首を縦に振る。不器用な優しさで自分を置いていった実験動物との記憶を溶かしきってしまったら。水に投げ込んだ石が波紋を呼び起すかのように、その問いはウォルターに無数の憶測を叩き出させる。


 どうにもなるわけが無い。今の保有者はソシオだ。そもそもウォルター、お前は機械だろう。機械が何故感情の勉強をする必要がある。おまけにお前は機械は機械でも道楽ごっこの機械じゃないか。しかも相手はねじが緩みに緩んだ科学者達のお遊び道具、実験動物だ。あいつ等は一生を寂しく老いさらばえなきゃならない。なんてたって、実験する為だけの存在意義しか無いんだ。ああ、そういえばお前もあいつ等を喜ばせる以外に存在意義が無かったな。けどお前はまだ良いよ。壊れたって、博士さえ生きてくれていればチョチョイのチョイだ。どんなに重症だと思っても、記憶が保存されていればあっという間に元通り。その点、あいつ等は治しても貰えないんだから。そうだよな、だって治す方が費用が嵩(かさ)むものな。誰だって思うさ。変わりが居るなら治さなくたって構うもんかって。

 でも俺は優しすぎた実験動物のことを忘れてしまって、本当に良いのだろうか。


 思考を繰り返すウォルターの眼前でソシオは目を擦っている。耐え切れないほどに眠くなってきたのだろう。彼はソシオに背を向けつつ腰を下ろした。しばらくすると背中に重みが乗り、腰を上げる。家に戻る道を辿っていると、あんまり無理をしては駄目だよ、という声が聞こえた。首を少し曲げてソシオを見たけれども、彼女は深い眠りに飛び込んでしまっていた。あんまり無理をしては駄目だよ。ウォルターはその言葉を繰り返しながら、右手に握りっぱなしになっていた煙草に視線を送る。ソシオを落とさないようにと気を配りつつ、彼は煙草を放り投げた。投げたそれは綺麗な放射線を描き、夜の闇に溶けていった。

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道連れワルツ ロセ @rose_kawata

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