(二)‐16

 会釈をしながら二人の刑事が玄関から出て行くと、今度は入れ替わりでスーツ姿の会社員の男性が入ってきた。紺色に細いストライプが入ったスーツに黒ネクタイを締めていた。どう見ても、仕事が終わってからネクタイだけ付け替えてやってきたようだ。まあ、父が亡くなったのも急だったので、仕方がないだろう。一応礼儀には則っている。

廊下に突っ立っていた俺はリビングに入り、妹の隣に座った。

 このとき、騒ぎを聞きつけ、寝ていた母が二階から降りてきてリビングに入ってきた。そして俺の隣に座った。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る