第12話

小学校に通い始めて、新しいことを学ぶ日々が続いた。


国語、算数、理科、社会。

(今は、理科と社会は3年生からの授業のようですが、私が小学生のころは1年生から理科、社会も習いました)


教科書を紐解いて、文字と睨めっこしながら、少しずつ理解を深めていった。


全てが面白いと思えた。


国語は、文章や話す言葉を学べた。

自分の意見を言葉として残すことが出来る。


今度、祖母に感謝の手紙を書いてみようかな?と思えた。


算数は数字を使っての計算が中心だった。


買い物でスーパーに行った時に眼にしていた、品物の金額にも数字が使われていた。


もしかしたら、買い物の時に算数が役立つかもと思えた。


理科は花の勉強を学んだ。

祖母は花を育てるのが好きなので、育てている花に関して理解できる気がした。


社会は様々な仕事の内容を簡単に学べた。


祖母のお手伝いに生かすことが出来るかもしれないと前向きに学べた。



友達もたくさんできた。


休み時間、男の子も女の子もみんなで遊ぶことがあったので本当に楽しかった。


鬼ごっこや、警泥オニ(場所によっては泥警とも言うらしい)など、駆け回る遊びをたくさんやった。



授業を終えて、自宅に帰る。


お手伝いに、学校で習ったことが役に立たないかを探してみた。


でも、やっぱり何をしていいのか分からなかった。


そこで祖母に

「学校で習ったことをお手伝いに出来ないかなぁ?」と相談してみた。


祖母は私の教科書を見ながら考えていた。


そして

「そうだねぇ。じゃあ、このノートに数字を書いてもらおうか!」と一冊のノートを持ってきた。


開いてみると、細かい数字がびっしり。


頭が痛くなった。


「おばあちゃん、私、頭が痛くなった」と伝えると


「みんな、初めはそう言うのさ」と返されてしまった。


こんなはずでは無かった。

まさか...

私は初めて、お手伝いに対して後悔した。


祖母は続ける。


「この紙の赤い線が引いてある数字を、ここのマス目に右詰めで書いていく。1マス、1個ずつ数字を書くんだよ」と教えてくれた。


試しに私はノートに数字を書いてみた。


紙には「562」と書いてあった。


ノートに右から「2」「6」「5」と書いてみる。


マス目が小さかったので、何回か消しゴムで消して書き直した。


何とか書けた。


祖母は

「それでいいよ。慣れれば上手く書ける。明日から宜しくね!」と嬉しそうに言ってくれた。


ちなみに、このノートは「家計簿」と言うらしい。


小さな紙は「レシート」と言って買い物をした時、お金を払うともらえる物らしい。


たくさん数字が書いてあって、ちょっとよく分からないけれど、祖母が1ヶ所赤線を引いてくれているので、書く数字は理解出来た。


この家計簿。


何に使うのか、何のために使うのかは分からないケド、出来るお手伝いが1つ増えたことは本当に嬉しかった。

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