1日1回、服用

夜月

大丈夫ですか?

やべー、38.5°から下がんねぇ。咳も止まんないし。マジで辛い。

「ゴボッゴボッ!」

早く病院に行っとけば良かった。とにかく病院に行こう。

俺はフラフラになりながタクシーで病院に向かった。


<hr>



「申し訳ありませんがただ今、2時間待ちです」

「え・・・」

2時間待ち・・・。病院に着いたが座るところもなく、受付にも2時間待ちと言われた。でも、ここから違う病院まで行くには相当時間かかる。

「わかりました。」

仕方ない。

どこか座るところ・・・ってあるわけないか。

俺は、外へ出て外の空気を吸うことにした。冷たい風が気持ちいい。少し離れた日陰に外に置いてあるベンチに腰を下ろすが座っていてもつらく、ここならあんま人も来ないだろう。そう思いベンチに横になる。あんま変わんないけど楽にはなった・・・。こんな情けねぇ姿、誰にも見られたくないな。俺は、腕で目元を隠した。

「ゲホッ!」

あー辛い。

「大丈夫ですか!?」

誰だ・・・?腕をどけて声が聞こえたほうを見る。

病院の入り口から白衣を来た女性が駆け寄ってくる。医者か・・・?

俺は、体を起こして

「だ、大丈夫で・・・ゴホッゴホッ!」

言葉させ上手く言えない・・・。

「無理しないで下さい!楽な体勢でかまいませんから、顔も真っ赤で辛いでしょに」

近くに来たが、顔を上げて顔を見る余裕もない。

「すみません、大丈夫です・・・、はぁはぁ」

なんだ、体を起こしたら息がしづらくなった。

「過呼吸じゃないですか!?今すぐ、ベットに行って横になりましょう!」

女性は、俺から離れて病院に戻ろうとする。

「待って・・・ゴホッ、下さい」

白衣の裾を引っ張る。

まだ、待合室には沢山の患者がいる。俺だけベットで横なったら失礼だ。

「まだ、中に沢山の人が、いるんで、その人達を先に・・・はぁはぁ」

「何言ってるんですか!自分が今、どんな状態かご存知ですか!?今にも倒れそうじゃないですか!?」

この人の言うとおりだ。座ていてもつらいのは確かだけど、失礼なことはできない。

「でも・・・ダメです・・・ゴホッゴホッ!」

「・・・わかりました。すこし待っててください。動いちゃダメですからね!」

俺から離れて病院に戻て行く。動いちゃダメってこの体じゃ動けねぇよ。

そんなことを思っていたら、また声が聞こえた。

「ここに乗れますか?」

「え・・・?」

前には車いすがあった。

なんで車いす・・・?何する気だこいつ・・・。

「あの、なんで・・・」

「いいから乗ってください、とにかく横になりましょう!」

いや、だからって・・・駄目だ。体が重い。仕方ない。言うこと聞こう。

俺は重い体を持ち上げて、車いすに体をうつす。

「どうぞ」

そういって、開いている黒い傘を渡された。

日傘か・・・?でも、日差しが当たんないのは結構助かる。

ゆっくりと動きだす。どこに行くんだ。そんなことを思いながら病院を出る。もういい。こいつに任せよう。そっと目をつぶる。














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る