夏の思い出

佐倉澪

夏の思い出

激しい日差しが降り注ぐ

その真下には美しい川が流れている

「おーい!早く来なよー!」

君が呼んでいる

守りたい。この笑顔

川で鮎を獲り

家に持ち帰って

塩振って焼いて食う

これが一番美味い


夜になったら姉ちゃんが巫女さんやってる神社へ行く

今日は年に一回3日間に渡って行う夏祭り

浴衣に着替えた君はとても可愛く

でもどこかに美しさが隠れていた

君はりんご飴が食べたいと言い

俺はトウモコロシが食べたいと言う

じゃあ別々に買おうと俺は言うと

君は一緒じゃなきゃ嫌だと言う

俺は仕方なくりんご飴を買いに行き

そのあとトウモコロシを買った

最初からこうすればよかった

今度は射的の景品が欲しいと言い始めた

俺は射的が得意で取ってやることにした

百円五発

景品のクマのぬいぐるみは

かなり端っこにあった

なんとか百円で取れて

君は大喜びで勢いで抱きついてきた

恥ずかしかったが嬉しかった


最終日、花火が打ち上がり君と一緒に見る

「綺麗だね」

と、君は言う

「綺麗だね」

と、僕も言う

小さい頃はあんなに遠かった花火が

今は手を伸ばせば届きそうだった


花火が終わり君は少し寂しそうな顔をしてから

直ぐに笑顔になりこう言った

「明日は何して遊ぼっか?」

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夏の思い出 佐倉澪 @rinrinakua

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