第10話

5月、最初の席替えが始まって、俺は中央後ろの席になった。同じ班になったのは同じバスケ部の他は知らない女子だった。入学当初の席と同じように5、6人で役割を決める時間になった。喋りだしたのは席が1番前の女子で、それに応答した神田は何処か緊張しているようにみえて、それを静かに横目で見ていた俺は何か揶揄うネタ見っけ、と的外れなことを考えていた。


🍃


移動教室の途中だった。前方に友人を見つけて、ダル絡みでもしようかと思いつく。


 よ、と神田の背中を通り越し、歩を合わせる。


 あに?と聞き返してきたので面白くねぇ奴、と思いながら俺はしゃべりだした。


・・・ちょっと思ったんけど、なんか、川島さんていい人よな。「川島さん」とは、席替えで同じ班になった中の一人であり。

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