第3話
今までさして悩むこともなく、事も無げに来たので、深く傷ついたことはなかった。
運動神経そこそこ、勉強においても不得意はなかった。
―― しかし、冬になると「名も知らぬ女子」からチョコレートを貰うので、それとともに渡される告白の返事に必ずと言っていいほど苦悩していた。
それに「俺も、」と言えたらどんなに良かっただろうか。
―
小学校の低学年から何度もそういうことが続いて、俺は思った。
それまでは渡されたモノを律儀に全て受け取っていたが、「好きだ」と言われてもそれに応えられもしないのにチョコを貰うのは申し訳ないと思うようになった。
― また、それに関して様々な噂が立つのも常日頃で、その的にされるのもこりごりだった。
そんな矢先、あることが起こった。小三の時のことだ。
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