第5話
視界が元に戻った時には周りには木と草、遠くには山が見えた。
ほう、近くに山小屋とはだいぶ気を使ってくれた様だ。
あいにくとサバイバルの経験は皆無な為こうして寝れる場所があるのはありがたい。
それに何だか頭の中がすっきりしている。
常に感じていた身体の怠さも無くなっているのが解る為、言っていた身体の再構築をする際に持病や障害を治してくれた恩恵なのだろう。
まずは山小屋の中を確認するとしよう。
目についた物を挙げていくと…
それなりにしっかりとしたベッド
魔法に関する書物
数本の木剣
少しばかり積み上がっている薪
本等に少し埃が付いていた事からこれらを使っていた主は何らかの理由で居なくなってそれなりの時間が経っている事が解る。
これらの品は有難く使わせてもらうとしよう。
中でも魔法に関する書物があったのはかなり助かる。
何せ魔法が無い世界から来た身としてはどうやって使っていいのか解らないのだから。
これが普通の物語の主人公ならば一瞬で使いこなすのだろうが、私にはそんな才能は全くない。
だが、努力し続ければそんな天才達には追いつけないまでも距離を縮める事が出来る。
大事なのは途中で折れない事だ。
努力が嘘をつかず、ちゃんと結果を示してくれるのは誰よりも理解している。
調理場みたいな物もあったがコンロ等は無かった為、何か魔法か魔力を使う様な仕組みがあるのかもしれない。
山小屋の中は粗方見終わったので、次は周辺の様子を見に行くとしよう。
水の補給と食料の確保は日が暮れる前にしなければならない。
唯一武器になりそうな木剣を持っていくが、頼りないな。
獣を狩ったとしても解体は出来そうにはないし、少々不便だが受け入れるしかないようだ。
木の実や山菜等が見つかればいいがこっちと地球では性質が違っているかもしれないので、とりあえず見つけた木の実や山菜は動物が食べているかどうかで食べるかどうかを判断するとしよう。
今日は食べ物や水場の確保に力を入れ、探索については明日以降だな。
拠点がないならまだしも拠点がある状態でむやみやたらに動き回るべきではない。
まだこちらに来たばかりで右も左も解らない状態で探索し、拠点への道を見失う事にでもなれば命に関わりかねん。
ここは前世の様な平和な場所ではないのだから、戦闘技術がしっかりと身につくまで命の危険を常に意識しておくべきだろう。
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