どーせ、誰も読んでくれない。
貴音真
第1巻「目玉焼きとネコと人とその他」
ここは、無人資料館。
無人ゆえに誰にも読まれることのない資料が溢れているところです。
長い間、誰にも読まれることがなかったため、自らに書かれた内容すらとっくに忘れてしまった資料たちがここに棲んでいます。
おや?
どうやら、誰もいないはずの無人資料館に誰か迷い混んだようですね?
あの人はどんな資料を手にして、そこにはどんな内容が書かれているのか、観察してみましょう。
【目玉焼きについて書かれた資料】
目玉焼きとは、肘を愛でたものである。
肘とは愛でるものであり、ジャンプするものである。
ジャンプして跳ね回る肘こそ目玉焼きにぴったりな足である。
目玉焼きに足をいれてはならない。
足はいれずに眺めるだけ。
それこそが目玉焼きで肘を愛でる最大の理由である。
足をいれてしまった目玉焼きはそれはもうカルシウムなので注意してほしい。
ただし、肘を愛ですぎるとマキシマムして目玉焼きではなくなるので注意してほしい。
目玉焼きとは、肘を愛でたものである。
【ネコについて書かれた資料】
ネコとは、空翔ぶ段ボールである。
空翔ぶ段ボールこそ耳と尻尾に秘められた秘密である。
人は空翔ぶ段ボールであるネコの耳と尻尾を秘密として乾杯している。
また、空翔ぶ段ボールこそが溢れる愛の象徴としている地域もある。
その地域はフランスの原宿とイタリアのワシントンなどである。
ネコがマキシマムすると空翔ぶ段ボールではなくなり、単なる捻れた直線になるので注意してほしい。
ネコとは、空翔ぶ段ボールである。
【人について書かれた資料】
人とは、風の見る夢である。
風が吹くと夢が生まれ人になる。
人が生まれると人になり人が生まれる。
風に夢が混ざると人になるが、夢に風が混ざっても人にはならないのでマキシマムには注意してほしい。
人とは、風の見る夢である。
【数字について書かれた資料】
数字とは、カボチャの弱点である。
カボチャに数字を与えるとひたすらのたうち回るほどにカボチャは数字に弱い。
ただし、数字と共に玄関を与えるとカボチャは狂喜乱舞するので絶対にやめてほしい。
なお、数字は水に濡れると爆発する恐れがあるのでマキシマムには注意してほしい。
数字とは、カボチャの弱点である。
【沼について書かれた資料】
沼とは、恋する乙女に必須なものである。
恋する乙女が波乗りして地中に飛ぶと沼が誕生して雨が止む。
その時こそ恋する乙女がガーデニングを完成させてモーニングコーヒーをマキシマムさせるときなのである。
恋する乙女が単にマキシマムするだけでは意味がないので注意してほしい。
沼とは、恋する乙女に必須なものである。
「なんだこれッ!意味わかんねえ!」
おや?
読んでいる途中で帰ってしまいましたね。
無事に帰れるといいのですが…
もし、皆さんが無人資料館に迷い混んだときは、皆さんの手で正しい内容に直してあげてください。
私?
私は人ではありませんので資料を開くことはできません。
久しぶりの人のお客さんが来て、書かれた内容を読んでもらえたので資料達も喜んでいます。
では、次のお客さんが来るのをお待ちしています。
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