第11話この世界のおさらい

 俺様はあーちゃんから聞いたこの世界の設定をまとめる事にした。手帳に細かく記載した。時間が経つと忘れてしまうかもしれない。なにせ、俺様、まだ7歳だから




 この世界は乙女ゲーム『エターナル・ラブ』の世界。この世界はヨーロッパの中世を思わせる世界で、科学レベルは低い。つまりナーロッパだ。しかし、前世の世界と異なり、魔法、なんてものが当たり前の様に存在する。この記録をつけている手帳もちゃんと紙製だ。この世界の文明レベルで、簡単に製造できるものではない筈だ。しかし、魔法の存在によって、製造が可能となっている。だから、意外と中世より進んでいる点もある。




 ゲーム『エターナル・ラブ』というゲームの概要はメイン主人公アン・ソフィの他ベアトリス、アリスの三人中から主人公選んで、3人の攻略対象つまり、優良な男性を攻略して、婚約、結婚というハッピーエンドを目標とする内容だ。ハッピーエンドの他、バットエンドとなる事もある。しかし、どのキャラを主人公に選んでももれなく、悪役令嬢クリスティーナは大活躍して、妨害する。かなり陰湿で、散々嫌がらせやいじめを行う。そして、主人公がハッピーエンドを迎えても、バッドエンドを迎えても、クリスティーナは死刑になるという、徹底した悪役ぶりなのだ。俺様可哀想。



登場人物の詳細を記録しておこう。



メインヒロイン


アン・ソフィー:聡明で、謙虚でおとなしい。平民出だが、心が綺麗で汚れなき乙女な感じ、ああ、俺様の理想だ。




サブヒロイン


ベアトリス・ケーニスマルク:母親は俺様の義母、つまり義妹。妾の子なので、幼少期、主にクリスに虐められるが、持ち前の明るさと頑張り屋さん気質で乗り越える。



アリス・ヴァーサ:左大臣の娘、貴族出身の唯一のヒロイン、貴族だが頭脳明晰、正義感が強く、主にクリスと頭脳戦で戦う、ヒロインの割に意外と腹黒い点もあり、そこは貴族のアリスがそうさせている。クリスを自身で断罪に誘導したのはこのヒロインのみ。しかし、クリスを断罪の結果、死刑にまで導いてしまった点にあたり、それに苦悩するという倫理間も持つ。彼女は死刑まで望んでいた訳では無い。正義の実行が導いた結果、クリスを著しく害し、それに苦悩する。



攻略対象


カール・フィリップ(セーデルマンデル公):一番人気のキャラ、なにせよ王子様な訳だ。しかし、意外と腹黒く、第二王子から王座を狙っている野心家でもある。やや、女たらしな側面もあるが、競争相手が多く、ゲーム的には面白い為、一番人気なんだそうだ。ハッピーエンドだと、王位につく。ちなみにもうじき俺様の婚約者になるらしい。政略結婚だが、7歳で政略結婚考えるなんて恐ろしい子だ。



イエスタ・メクレンブルグ:隣国のパシフィス帝国の第四王子。王位からは距離をおき、気ままに暮らしている。しかし、彼は魔法使いの伴侶を娶ると言う帝国からの密命を受けていた。そして、婚約者を魔法の能力だけで判断しなければならない事に苦悩している。誠実な彼は女性を物を見定める様な事をしたくなかったのだ。カールと同様、隣国の王子であり、人気はあるが、意外と好人物で、一番簡単に落とせる為、カールより人気が低い。ただ、普通に考えると一番いい奴にしか見えない。



アドロフ・フィリップ(メクレンブルク公):一番人気の無いキャラ、原因は優しいだけが取り柄で、あまりいい処がない。といいつつも、顔はいいらしい。無能のレッテルを張られているが、実際それ程無能ではない。彼の母親は平民出身なのだ。その為、長兄にも関わらず、早めに王位を放棄している。バックに有力な貴族がいない為、保身の為、早期に王位を放棄した様だ。しかし、とても温厚でとても優しく、ハマる人はハマるらしい。




その他の登場人物


ケーニスマルク家当主ベルンハルド:つまり俺様の父ちゃん。右大臣、びっくりなのだが、かなりの有力者、俺様が王子と結婚しても王妃となっても問題ない家系らしい。



マリア・ケーニスマルク:俺様のかあちゃん。もうじき死んじゃう。俺様悲しい。



アニカ・ケーニスマルク:平民出身の後妻、とてもいい人らしい。ゲーム中のクリスはかなり激しく反発したらしい。



カール三世・グスタフ(通称カール三世):この国の王様、つまりカールの父ちゃん。名前が同じだが、こちらは三世、カール・フィリップが王位につくとカール四世になるらしい。



ヨハン・フリードリヒ第二王子:実室、王位継承権第一位。粗暴で野蛮。その為、多くの有力貴族がカール・フィリップを次期王にしたがっている。ヨハンを王位につかせようとしているのはどうも、父ちゃん。らしい・・・扱い易いと言う事か?



アルベルト:俺様の幼馴染。それ以上でもそれ以下でも、無い。変な誤解はしないで欲しい。俺様、誰であろうと野郎に興味はねぇ!


アリシア:俺様専属メイド、愛称あーちゃん。とても気が回る、気配り屋さん。俺様のハーレム候補順列第一位。彼女は俺様の遠縁の親戚にあたるが、それ程高い身分では無く、生まれつき右腕に痣があり、貴族の世界での女としての価値が無い、その為、嫁に行く事は諦めているそうだ。でも、おかげで、俺様に一生ついて行くと言ってくれている。俺様の心の支え。こんないい人が嫁の行き場所が無いのは本当にこの世界って変な気がする。痣があったって、あーちゃんはとてもいい人だ。顔だって、凄い綺麗な人なのだ。



ゲーム『エターナル・ラブ』の大まかな粗筋


ゲームは魔法学園中等部から始まる。始まりは数十年ぶりに平民から魔法学園に入学する事になるアン・ソフィが冒頭で、カール王子と廊下の曲がり角でぶつかり、出逢う事から始まる。そして、それから悪役令嬢クリスの悪役ぶりがエスカレートする事になる。嫉妬にかられたクリスはアンを散々いじめる。それを左大臣の娘アリス・ヴァーサや俺様の義妹ベアトリスが庇い、物語が進行する。物語では、アンとクリスとアリス、ベアトリスの関係に第三王子のカールの他、隣国の王子イェスタ、上級生のアドロフ第一王子などが絡み、それぞれ最愛のパートナーを探る。そして、最後に選んだ主人公と選んだ攻略対象と結ばれた時、ハッピーエンドとなり、うまくいかない時、バットエンドになる。


 この物語の最後は魔法学園高等部の卒業パーティで終わる。ここで、悪役令嬢クリスへの婚約破棄が行われ、そして、クリスは悪役令嬢として惨めな末路を辿って行く。攻略対象はここで、主人公に愛の言葉を紡ぎ、告白をして、求婚する、そして、新たな、婚約が成立する。政略結婚では無く、相思相愛のカップルが誕生するのだ。しかし、失意のクリスは嫉妬のあまり、新たな婚約者達に絡み、取り返しがつかない暴言を吐く。そして、それが不敬罪とみなされ、裁判にかけられ、死刑へとなる。


 あーちゃんの話では、クリスの死刑はゲームのファンからも異論があったそうだ。クリスの過去は同情すべき点もあり、そもそも、暴言だけで死刑と言うのは酷すぎないか? と言うものだ。ざまぁは感じるが、死刑はやりすぎだろうという事だ。クリスは人を殺した訳でも無く、重犯罪を犯した訳では無い。果てしなく、性格が悪いだけの小悪党なのだ。



 何にせよ、ゲームは始まった。俺様は破滅フラグを回避して、幸せな修道院生活を目指して頑張る。ちなみに修道院は朝早く起きて、正殿の掃除やお祈り、ボランティア活動などをして、結構ハードだが、残業もないし、自由な時間もある。前世のブラック企業勤めの俺様にとって、超ホワイト企業にしか見えない。目指せ修道院生活!

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