第9話 三原脩氏のこと
野球本を読み始めてほどなく知ったのが、この人の名前。
ああ、香川の人なのか。
水原茂って人のライバルなのか・・・。
そういえば、この人たちの訃報、特にプロ野球に興味があったわけじゃないが、新聞記事で見て、何故かどちらも、妙に記憶に残っていたのですよ。
この三原脩という人物については、ここで詳しくは述べませんが、元西鉄ライオンズと大洋ホエールズの監督時代に弱小チームを優勝を争うチームに変え、日本一を勝ち取った名監督ということで、その名を知られているとだけ申しておきましょう。
そこから、西鉄ライオンズというチームがかつてあったことを知りました。
その筋の人たちの本を、たくさん読むことになりました。
アマチュアは和して勝つが、プロは勝って和する。
チームの和?
そんなものは、屁のツッパリにもならない。
プロは、勝つことである。
そんなものは、勝っていればあとからついてくるものに過ぎない。
それが、この人の根本的な発想。
なぜ彼は、そこまで言うようになったのか?
それには、彼の戦争体験が根本にあったのです。
三原氏は大洋ホエールズの土井淳捕手に、こんなことを言ったそうです。
おい、土井君な、頼れるのは自分だけだぞ。
高校生当時の私にとっては、実に、身につまされる言葉でした。
もっともその言葉自体を本で読んだのは、ずっと後ですが、そのような精神が三原氏の根本にあることに、私は10代後半ですでに気づいていました。
野球殿堂シリーズ「風雲の軌跡」
現在日本ハムの監督をされている栗山英樹氏の愛読書だと伺っています。
私がこの本を読んだのは、高校時代。岡山県立図書館の前身である岡山県総合文化センターの図書室で借りて読みました。
その後も、折に触れて三原氏関連の本を読むことが少なからずありました。
いまさら言うまでもないことかもしれないが、あえて声を大にして言いたい。
当時の私の周囲にいた「大人」と称する者たちよりも、三原氏のこの本のほうが、数百倍の値打ちがあった、と。
こういうと、
「至らなさが過ぎていたかもしれないけれど、当時お世話になった人たちに何もそこまで言わなくても、責めなくても・・・」
などとほざく低能が沸いて出るのが相場だが、そんなアホどもには、
オドレは人の人生にものを言える立場かボケ!
と、一蹴しておきましょう。
犬猫のじゃれあい程度のことしかできない雑魚ほど、群れたがり、人にちょっかいよろしくこういうものを言ってくるというのが相場です。実際、そういう雑魚を見つけて裁判に持ち込んでボコボコにしたこともありますからね。
ああ、やっぱり、出てきたな。この「心境」が・・・。
さすがにこのシリーズを書き始めて、ある程度予想していたこととはいえ、当時の怒りがフラッシュバックよろしくよみがえってきて、苦痛がないわけじゃない。
だがその反面、その怒りの正体を冷静に分析している私自身もいる。
前者についてはともかく、後者については、まさに、三原脩という野球人を書籍を通して知ることができたことによるところ大です、と、申し上げたい。
プロ野球本を読めば読むほど、特に、名監督と言われた人たちの本を読めば読むほど、情報というものの重要性と、それをいかに活用していくべきかということが、肌身にしみてわかるようになります。
この世をはかなんで、死ぬなんて選択肢はもったいない。
生きていればいいことがあるなどと軽々しいことを言う気はないが、こういう本を読むことで、生きる指針と力がもらえるのです。
真剣に生きてこの世で自らを渡っていこうという姿勢を持っていれば、周囲のくだらないクズどもと付き合っているようなヒマなど、ないのです。
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