第25話 空の上から

「……百合だー……」



その物語の顛末を見た感想はそれだった。

うーん……ちょっぴり百合だったなぁ……。

女子高生やってた時もしおりに面白いからって言われて、百合漫画読んだことあったけど。

実際、あるんだね。

百合って……。

まぁ……仲良きことは美しきかな、かな。

しおり風に言うなら、とっても良い直弼で、尊み秀吉さんだ。


とりあえずその話は置いといて。

<小さな星>リトル・スターはニクスの願いを叶えて、あの世界には冬の世界が訪れた。

けれど、それだけ・・・・だ。

あの世界は英雄王、アッシュの世界の未来の世界。

世界は戦争が続いていて。

そこに冬の世界が訪れた。

結果的には、その事で、世界は戦争をする暇が無くなり、平和になりました、まる。

ん……?



<小さな星>リトル・スターは必ずしも悪とは、限らない……?」



そんな疑念が湧いてくる。

そして、あの紅いローブの少女。

あの少女は、確かに刹花の世界にもいた少女だ。

何故あの少女は<小さな星>リトル・スターに願いを叶えさせようとしているのだろう。

分からない。

分からないけれど。

何処かがおかしいと感じた。

何かが食い違っていると感じる。

とりあえず、私は暖炉で二人寄り添う姿をぼんやりと見つめながらこう告げる。



「……二人の世界に、暖かな温もりを……」



―――


「暇だーーーーっ」



ソリスが暖炉の前の椅子に座ってそう叫ぶ。

もはやこれは年中行事だ。

私は編み物を編む手を止めて。

太腿の上で丸まっているキララをそっと床に降ろして。

ソリスの傍まで歩いていき。


そっと、ソリスを抱きしめる。



「……これで、満足?」



ソリスは真っ赤な顔をして私からそっぽを向きながら。



「……満足」



そう照れ臭そうに応えてくれる。

未だに世界は冬の世界に閉ざされているけれども。

世界は温もりで溢れていた。


―――



「さてっと……」



私は、うーんっと命一杯伸びをする。

今度は、どの世界の話を見るべきだろうか?

うーんでもなぁ……。

やっぱりなんか気になるんだよなぁ……あの紅いローブの女の子。

とりあえず<小さな星>リトル・スターにまつわる物語を読み進めれば、何かが分かるだろうか?

そう思いなおし私は三度<小さな星>リトル・スターにまつわる物語を読み始めた。



これは、青い空の下、繰り広げられる恋物語……『向日葵』。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る