73話 【さくらの悩み】

私…行かないと後悔する気が…。


「おーい。はい、ストップ」

男子たちを止めたのは…え、ふーくん!?


「あ…相澤先輩」


「お、俺知られてるんだ。ありがと」

…ふーくん、いつからいたんだろう。止めてくれて、かっこよかったなぁ。あれ、ふーくんは…黒板に…


「ゆみかちゃん」

あ。そっか、バレちゃったんだ…。


「前頼んでた写真、ありがとねー!」

え。


「え」


\えー!/


「えっと…」

ゆみかちゃんも戸惑ってる…。


「さくら」

さくら…え、私!?


「俺の…彼女に写真あげるために撮ってくれてたんだよね」

あ! なるほど、ふーくんは盗撮じゃないことにしようとしてるんだ!


「…」

あ、ゆみかちゃん! “はい”って言っちゃえ!


「はい」

あ、ふーくんが笑顔を向けたから“はい”って言えた! よかった〜、一応これでゆみかちゃんは無実だよね! …でも、ふーくんのことまた好きになっちゃうかな〜


「それで、君たちは何でケンカしてたのかな?」


「…すみません」

ゆみかちゃんを無理矢理連れてきた坊主くんが謝った。


「俺じゃなくて、ゆみかちゃんと…彼にね?」

彼は2人にも謝った。


「あと、暴力はいけないから…君も謝ろう」


「…ごめん」


その後は先生がやって来て、男子たちは先生に話を聞かれ、関係ないと分かったふーくんは解放されてた。


「ふーくん」


「お、さくら。いたんだ…って白々しいか」


「相澤先輩、さくらさん! 本当にありがとうございました!!」

ゆみかちゃん…


「私は何も…」


「あと、すみませんで…」


「さくらに」


「さくらに写真をくれただけでしょ。謝らない謝らない。じゃ、また」


「…はい! ありがとうございました!」

ゆみかちゃんはそう言って、クラスに戻っていった。


「ふーくん、ありがとう」


「詳しくは放課後聞くからな」


「え?」


「よし、ホームルーム遅れるから行くぞ」


「…うん!」


ふーくんは、やっぱりかっこいいなー!

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