70話 【さくらの悩み】

ゆみかちゃん…大丈夫かなぁ。どうやって助けてあげたらいいんだろう。昨日の夜もそのことで頭がいっぱいでよく眠れなかったなぁ。


「さくら…さくら?」


「へ? なに?」

またやっちゃった…。


「ほんとに大丈夫か? 最近おかしいぞ?」

ふーくんに心配かけたくないけど…これは私が解決してあげなくちゃ…!


「うん、大丈夫! 昨日夜更かししちゃって〜、眠たくてごめんね」


「…ならいいけど」

ちょっと、怒らせちゃったかな? でも、ゆみかちゃんの秘密は私が守らなきゃ!




この間はこの辺で…。


「由美香〜、さくらさんと仲良いの〜?」

あ、ゆみかちゃんたちだ!!


「いや…」


「あんなことしといてよく仲良くできるわね」

盗撮のこと…ゆみかちゃんも悪いけど、脅すなんてひどい!


「私…さくらさんと史人さんに謝ろうと思います…」


「はぁ?」


「だから…もうこんなこと! きゃ!」

わぁ、襟を掴んで…暴力はいけないよ! 行かなきゃ…そうだ!


「ご、ごめんなさい。でも、やめてくれませんか?」


「さくらさんと史人さんが許してくれると思ってんの? きもい盗撮なんてしてたあんたが悪いんでしょ?」

よし、録れた…。


「何してるのかな?」


「わ、さくらさん…」

私ってそんなに有名なのかな?


「何してたの?」


「えっと…遊んでただけです。行こ」

あ…行っちゃった。


「ゆみかちゃん、大丈夫?」


「は…はい」


「よく頑張ったね」


「…あ、ありがとう…ございます」

ゆみかちゃん泣いちゃった…。怖かっただろうなぁ。


「どうしようね。そういえば、さっきふーくんにも謝るって…」


「…はい、でも。あのもう少し時間がほしいです。嫌われる勇気を…得てから…」

嫌われる勇気…かぁ。


「ふーくん怒らないと思うけどなぁ…。でも、わかった! 勇気が出たら連絡してね?」


「…はい!」


その後はゆみかちゃんにふーくんと帰るように言われていつも通り帰宅した。帰ってから少し後でゆみかちゃんも無事帰宅したと連絡がきた。本人かな? と不安で電話したら、少し笑って“大丈夫です、ありがとうございます”と帰ってきた。ゆみかちゃん、いい子だから楽しい生活が返ってくるといいなぁ…。


それからふーくんと話したいって連絡を待っていたけれど、いつも通りの日々が過ぎていく中でゆみかちゃんからの連絡は一度もなかった。




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