60話 〜花火大会編〜

「綺麗だったね〜」

花火も無事終わりました。もう帰るのかー、寂しいな。


「だなー、花火っていいな」


「うふふ、シート片しちゃうね」


「おぅ、さんきゅ。カバン持つな」

よし。このまま帰りは荷物を持って優しい彼氏になろう。…そりゃ好かれたくてやるけど、普通に持ってあげたいって気持ちですよ?



「ありがとう! 畳んで〜…」

あ、レジャーシート畳む方やってあげればよかったか? どっちがよかったんだろ、難しいな…。


「…よし。カバンありがと〜!」


「お、入れな。持ってるから」


「え、ありがとー!」


「帰り、カバン持つから」


「え、いいよいいよー!」

断られた…。


「いや、俺が持ってあげたいの。いい?」


「うぅ、うまい言い方だな〜」


「あはは、じゃあ持つからな」


「…ありがとう!」

戸惑ってたけど、嬉しそうだな。よかった。


「じゃ、帰るか」


「そうだね…花火大会終わっちゃったか〜」


「短く感じるよな」


「楽しいと短いよねー、夏休みだって終わっちゃうもん!」


「早いなー」

さくらに毎日会える学校も俺は好きだけどな。


「あ、ふーくん」

さくらが立ち止まった。忘れ物か?


「お、どうした?」

買いたいものとかあったかな。


「…手繋いで帰ろうよ〜」

あぁ! 俺としたことが手を繋ぎ忘れていた! でも、さくらのかわいいお誘いが見れたので嬉しい限りですね。


「おぅ、そうだな」


「笑ってる…バカにしてるでしょー!」

いやいや、めっちゃ嬉しいぞ? 笑って見えたならそれはニヤケだぞ??


「してないよ、嬉しかったんだ」


「ほんと?」


「ほんと、絶対。ほら、帰ろ?」


「うん!」


いやー、楽しい夏だったなー。




「ふーくんも来年は浴衣ね?」


「えー、恥ずかしいわ」


「うふふ、決定でーす!」

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