59話 〜花火大会編〜
「そろそろ始まるね〜、楽しみー!」
「だな」
時計を見ながらソワソワし出すさくら。小さい頃もさくらは花火をキラキラした瞳で見つめてたよなー。今でも花火めっちゃ好きなんだなー、知らなかった。いつかでっかい花火大会行ったり、さくらのために打ち上げてもらったりしよう!! …金貯めるぞ!!!
\花火大会、始まりました〜!/
「始まったね!」
「おぅ、楽しみだな」
まだ花火の上がっていない空を見上げながらテンションの上がっていく、さくら。嬉しそうだなー、来てよかった!!
\ドーン! パーン! パララ/
お、上がり始めた。さくらは…。
「…わぁ〜」
うん、見とれてるなぁ…。俺も花火見よ。マジで綺麗だなー。
「あ、顔のやつだー!」
おぉ、ちょっと変わった花火たちタイムか。
「今の逆さだったな」
「あーいうの正確にあげるのって難しそう!」
「あはは、運だろうなー!」
「そっか〜、運か〜」
「お、普通のになったな」
「さっきのはかわいいけど、普通のはやっぱり綺麗だね〜!」
「だなー」
さくらはかわいいし、綺麗だよ…。うん、やめとこ。ってか、こういう時って手とか繋ぐもん? …彼氏だし、繋いでもいいよな。でも、楽しんでるとこ邪魔してまで…。んー、繋ぐか!
「ん?」
「手…繋ごう」
「…うふふ、うん!」
かっこよく繋げなかったな。でも、こうやって手を繋いで彼女になったさくらと花火大会に来れるとは思わなかったなぁ。ずっと片想いしてる頃の俺よ、お前は報われるぞー!!
「わぁー! 大きいね!!」
ラストに近づいてきたんだろうな、大きな花火が上がり始めました。
「綺麗だよなー」
「うふふ、ふーくんが静かに花火見つめてる〜」
「え? いや、見るだろ」
「うふふ、昔は途中まで見たら屋台に行きたい〜ってお父さんたちとどこか行っちゃってたじゃん!」
あー、小さい頃の俺には花火はすぐに飽きるもんだったなぁ。
「あはは、懐かしいなー。こうやって綺麗だーとか思ってんのも大人になったってことかー」
「うふふ、そうだね〜! 手も繋いじゃってるし?」
照れながらかわいいこと言ってるよ、この人は…。
「あはは、だな」
「もうすぐ終わりかな〜?」
「っぽいよな〜、来年も来ような」
ちょっと漫画っぽいこと言ったかな。
「うふふ、受験勉強でやられてなかったらねー」
「おぉ…、まじめかよ。じゃあ息抜きにな?」
「うん、そうだね!」
さくらが喜ぶ顔が見たいので、何年経ってもさくらが飽きるまで花火大会に行きます!!
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